あけまして77は神の目と場の量子論と箱庭

あけましておめでとうございます。
本年も楽しくTRPGできたらいいですね。


 「侵月」キャンペーン参加プレイヤー以外はわかりにくい話ですが、正月早々から寝言を呟いてみる。


 侵月では「77は神の目」ルールを停止し、「77はPCにストックしてその場では神の目ルールの適用はしない」ということにしたわけですが、前回のセッションでその真の挙動が見えました。


 セッションの中で明らかになった「ストックを消費することで任意のロールに77が出たものとして再ロール」「ストックはキャラクターの能力・技能から変換可能」という2点から、ストックは世界の分岐可能性の蓄積で、そしてWILLでもあると推測できます。


 プレイヤーが77をロールする確率が増えすぎているので「77頼り」をブロックしてみようと思いつき、ブロックされているのはいったい何かと考え詰めた結果、77は世界の選択可能性の分岐点ヒーロークエストにおける瘤だというところに辿り着いたわけですね。


 ならば「意図した時と場所に分岐点を置けたら?」というのが基本アイデアです。しかしこれだけだと分岐点を置いても一方の結果しか観測できない。複数の結果の観測をするにはループものグローランサ的には再演を繰り返すことになるのは必然。


 ここから先はプレイアビリティの問題も含めて、管理可能な情報量にするためにはループする時間と距離を小さくする必要があるが1戦闘や小規模ダンジョンでは選択ダイナミックさがなくなるということで夜の山の中、8時間程度という舞台設定になった、と。


 タイムリープ世界線というのは非常にグローランサにマッチした考え方なので、シュタインズゲートをやってからぼんやりとどこかで適用しようかなー、と煮詰めてたのが今回ガッチリはまった感じですね。


 私がマスターをするときは、ご都合主義に流れそうになるのを世界の因果律で自分を縛る作業をします。プレイヤーのダイスロールは世界改変であるという認識に辿り着いていたので、昔から世界をハンドリングするときに意識していた場の量子論と照応させてダイスロールと世界の関係性を構築しています。


 再演についてもエネルギー保存の法則が働いていて、大きな改変には大きなエネルギーが必要。プレイヤーのダイスロールというのはこのエネルギーそのもので、真空から湧き出してくる量子の対生成。77という偏った閾値が対象性の破れ。


 うちのWILLルールの「キャラクターの能力・技能はWILLと交換可能」「WILLは世界を変更する力」という定義から、セッションの結果キャラクターが成長していくということは、特定のアイデンティティに世界を改変するエネルギーが蓄積されていく過程ということになります。


 まあそんな風にいろいろと妄想を煮詰めてありますが、神様はなんでも自由にできるわけではないよ、というのは大事なルールです。


 なぜ77が通常の処理がされずストックされたのか。なぜ特定の時間までしか戻れないのか。何が改変できて何ができないのか。などルールを探っていくと、また世界の性質が露になっていって面白いと思うので、いろいろ遊んでみてください。




 今回の思考実験はマスターとしてもいろいろ発見があって、特に箱庭世界とPCという存在の特異性、箱庭といわれるマスタリングスタイルで自分が何をやっているのかについてはいろいろ考えさせられました。


 俺はダイスロールとその結果をすべて世界の改変として処理しています。マスターの用意した世界はPC達とは無関係に存在しているような顔をしながら、実際はPC達が観測しなければ何も起こらない確率の雲


 テーブルトーク的にはキャラクター達に行動する機会があり、ダイスロールが赦されているということがいかに特別なことか。


 「77は神の目」も、長年運用する中で、このルールには箱庭型とシーン型を繋ぐ効能があることがわかってきています。


 世界への没入の代償に物語の駆動に弱点のある箱庭型。物語の保障の代償にメタ視点を要求されるシーン型。しかし実は箱庭を求めているプレイヤーなど存在しない。用意された物語ではなく自分の物語、メタ視点を要求されない物語を求めるプレイヤーがいるだけ。


 箱庭は必須ではなく物語は必須。日本のナラティブ型のTRPGの隆盛はこの本質をよく見極めた発展だなー、と。もちろん自分の物語を提供できるわけではないし、メタ視点を排除するまでには至っていないわけですけど。


 で、ベーシックロールプレイでは技能ロールは世界の物理法則(魔法も含む)に対する処理と説明されますが、視点を変えて、物語法則に対する処理と看做すこともできます。しかしルールブックにはそう書いているわけではないので、マスターが実際にそう処理していたとしても無批判の適用は疑義のあるところ。「77は神の目」は、追加効果としてドラマが発生すること明記することで、ダイスロールというルールの根幹の部分に物語ジェネレーターを導入しているるわけですね。



そんなことをつれづれ妄想しながら年越しをしたわけですが、本年もよろしくお願いいたします。

ヴェント山と富士山と比較してみる

セッションでヴェント山に登ろうということで、富士山と比較してみる。


あまりにもタイムリーなので御嶽山とやってみようかと思ったけど、自分やプレイヤーが距離感を把握する意味でも、海の近さからいっても富士山に。

※クリックで拡大
スケールはアーガンアーガーアトラスの1へクス=5kmに準じます。*1


ヴェント山は海抜2000mなので、富士山より低いんですね。
もっと高いのかと思ってた。


調べてみたら、東京駅から富士山頂までが道のりで160km、徒歩で6日程度とのこと。google mapだと道のり120kmで27時間だけど、こっちはちょっと楽観的すぎるだろ。
実際に名古屋まで9日で歩いた人の記録とか見ると、CON12ぐらいあれば一日に平地4へクス(32km)ぐらいかな。CON16ぐらいあれば5へクスいける気がする。
道が舗装されていないことを考えると、ノチェットからヴェント山山頂まで2倍弱ぐらいでしょうか。歩いて10日。


しかしヴェント山は常に噴煙を上げて噴火し続けているとのことなので、登山はえらい危険ですね。
御嶽山の噴火を見た後だと、火山礫とか火山灰とかどうしてるんだろうと思います。
まあ煙だけなのかもしれませんが、グローランサってデフォルメされるからなあw


「1季に1回、聖祝日には火柱が上がり、火砕流の上をカラドリルの司祭がサーフィンします。」とか言われても驚かんわ。

*1:縮尺を間違えていたので画像を差し替えました

アップランド湿原-8(遭遇-4)

下記はアップランド湿原-7(遭遇-3)の続き、Wyrms Footnotes 15のp23-25あたりの適当訳です。
英語の相当怪しい人ですので自分が使うのに困らない程度でしか訳していません。口調不統一や日本語として意味が通じなくてもご愛嬌。
いまやPDFで購入できますので、原本を当たられることをおすすめします。

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ダック

ほとんどのダックは、死んだダックとならないためには、湿原を抜けるには一人旅でないほうがよいことを知っています。 湿原の範囲で生活することを選択したものは、酷く絶望したものだけです。ほとんどはその縁で生きることを好みアンデッドの勢力圏から逃れようと、徹夜で目を光らせています。彼らはリスメルダー一族と密接に協力し、侵入が差し迫っているときは、できるだけ多くの警告が与えられています。
ダックの海賊や泥棒の小さな一団が軽い葦船を使って、静かに湿原を動き回ります。彼らは隣接するオーランス人の土地に、非常に小さな略奪を行い、霧の中へと消え去ります。ある更正した海賊のブラックビーク船長は、湿原の川に彼の船で往復しています。彼は、その価格が適正であれば、湿原についての貴重な情報を提供することが知られています。彼はまた、航路を示す詳細な地図を持っていると言われています。
どんなダックも敵意に遭遇すると逃げ出します。誠実な友情を表明したならば、ほとんどのダックは冒険者達に周辺の適切な情報と警告を提供します。湿原に追いやられたダックは、彼らを追い詰めようとする致命的な罠を避ける方法に熟練しています。

エルフ

黄の花島以外のほとんどの生きているエルフは湿原の問題を遠ざけようとします。黄の花エルフは、何らかの任務や目的を持って島を離れるため、ランダムな敵対的関係を避けようとするのが普通です。脅威を感じていない場合、彼らは友好的です。尋ねられたなら、彼らは近くの場所への一定の方向を示すことができます。
彼らが脅威に直面した場合、驚くべき速度と技術で湿原に逃げ込みます。

黄の花のエルフ

南から、黄の花のエルフが海の季の度に、彼の湿原の縁の直前まで彼らの森を大きく拡大してきました。
ディレクティは縁取りの中にいる自分を見つけ、この平和な隣人は 彼の領域へと彼らの土地を盗み広げはじめていることを見つけました。彼のエルフの問題の根本を攻撃することは容易ではありません。エルフは彼の仇敵の一人、ドライアドのホラリンに率いられていました。彼女は彼が古の友、リハリャを狂わせたことを許したことはありません。彼女はディレクティが彼女と民のところへ来るその日のために長い準備をしてきました。彼女の庭に迷い込むあらゆるゾンビに、巨大な捩れた蔦が絡みつき、バラバラに引き裂きました。
10年以上の間、彼女はゆっくりと彼の湿原の多くを取り囲むように、彼女の子らを育ててきました。

エルフの敗北

リハリャが「殺害の儀式」の秘密を教えるために、彼女の自由意志の最後のひとかけらを使ったため、彼女はディレクティがコラングの形をとって湧き上がるのを恐れていませんでした。しかし、彼が彼女を訪問したときに、彼女の恐れゆえに、 彼女は形を取る事ができませんでした。ゾラーク・ゾラン、フラマルの殺害者が木こりの歌を歌って闊歩する恐怖に直面し、彼女は萎れました。彼女の子らは、斧の力強い一振りごとに倒れ、ディレクティは彼の情熱ゆえに、それらのいくつかから生き残りました。
最後に彼女を助けるために、彼は彼女が彼に敵を作る己の愚かさを静観するために、不死という永遠を知ったことを確認しました(訳注:いまいち意味がとりきれない)。彼のゾンビは彼の崩れゆく天守閣へ彼女を引き摺り戻し、汚染された大地に彼女を植えました。彼女は捩れ、彼の殺害のスピアを掘り出すお気に入りのブラックソーンの木になりました。

グール

オーランス人は、これらの食人鬼を「グール」と呼びます。
グールは生前と同じように見えますが、月日が経過すると、彼らの皮膚は薄い紙のような表面になります。彼らの皮膚に穴を開けても、彼らは出血しません。彼らの神経は死滅し、もはや何も感じていません。彼らは手足を失ってもショックを受けません。グールは驚異的な筋力と耐久力を持っているように見えます。なぜなら痛みの喪失により、限界以上に自分の体を引き伸ばすことができるためです。

グールは彼らは定期的に人肉を食べ続ける限り、腐敗や崩壊をしません。週に1体の死体を食べることができなかった場合、年齢が彼らに追いつくように、グールは崩壊し始めます。光は彼らの皮膚を乾燥させ、崩れる過程を早めます。日光にさらされたグールは、受けた損傷を修復するために、より多くを食べる必要があります。飢え始めていたグールが光に晒されたなら、彼は崩壊し始め、体を修復することはできません。この状態のグールも人間の死体が供給されたなら復活しますが、ほとんどはその前に食べ物を見つけるか死のうとします(イマイチ意味が読み取りにくい)。

グールの遠吠えは、ベテランの戦士たちでさえ武器を落とし逃げるほど、生物にとって恐怖です。獲物を狩猟するとき、グールは遠吠えを上げます。遠吠えに打ち勝つことは非常に困難です。
グールの一口は麻痺毒を注入します。毒に抵抗することは困難です。グールは獲物にとどめをさすときに口を使いますが、ほとんどのグールは生前使っていた武器や防具を使い続けます。多くは、何年も磨いた完全なスキルを持っており、さらに高めています。
これらの生物は遭遇できるアンデッドの最も稀な形態です。彼らの破壊的な食習慣がゾンビに不向きな死体をすため、ディレクティは積極にグールを破壊します。それにもかかわらず、湿原は彼らにとって魅力的な隠れ場所で、彼の仕事が終わることはありません。ほとんどのグールはデレクティについて何も知りません。

ゴースト

アップランド湿原は千、いやおそらく幾千万もの、湿原で死んだゴーストやレイスの怒りに呪われています。おそらく最も多いのは、ドラゴンキル戦争で死んだ怒れるゴーストです。
ゴーストはディレクティがアンデッドを作り出す手法の最大の貢献者の一つです。湿原内の犠牲者のすべては速やかに不死者化され、彼の部下として馳せ参じます。幽霊は特定の場所に関連付けられることが多いので、湿原の縁付近の強力なもののいくつかは、歌と伝説で知られるようになっています。

ほとんどのゴーストは狂っており、彼らの多くは湿原にあるという不正確な宝物の伝説で訪問者を誘惑します。ゴーストは、いずれかの種別の魔法を持つことができます。湿原の祈禱師のゴーストは魔精を持っています。

巨大な荒れ狂うレイス
これは、特に強力で怒り狂った精霊です。巻いた舌で猛烈な唸り声を上げながら、悪魔の形相で己を膨れ上がらせます。それは知性あるものを殺し、彼らの魂をむさぼり食うことを望んでいます。
それは魔法によって毒の爪と牙の幻想を作り出し、または装備品によって、英雄達を湿原での破滅に導きます。

典型的な幽霊
この怒ったゴーストは、意志の弱い男性や女性を乗っ取り、彼らの魂を取り上げるために、彼らの身体を湿原に引きずり込もうとします。これらは一体のゴーストか、それ以上のこともあります。それは、湿原で血まみれの衣服を洗う女性や、やせ衰え膨らんだ腹を持つ外観、熱なく浮かぶ炎など、様々な外観を取ります。

巨大沼ヒキガエル

一部の生物は何でも食べます。沼ヒキガエルは、これらの生き物の一つです。彼らは丸呑みできる獲物を好みます。

虫の群れ

ディレクティの信奉者の一人は、黄衣のゴラキーキの熱心な信者でした。彼は何世紀にもわたって彼は湿原でミツバチを増やし続けてきています。彼はまた、致命的かつ激烈な品種改良も行いました。
彼らはアンデッドを無視します。

ケルト

ほとんどのスケルトンは単に年月の経過した歩く屍です。
ディレクティの助手の一人、オッサは骨接ぎを専門としており、様々な骨格の一部を組み合わせ、奇妙な機能を持ったユニークな作品を作り出しています。彼が作ったスケルトンの多くは、余分な手足や致死的な器官が付属しています。 スケルトンの一部は、吼える塔で働く狂気の錬金術師、オリチャルによって処理されています。彼のスケルトンは多くの場合、様々な厚さの青銅でコーティングされており、彼らに追加の装甲を与えます。

一般的なスケルト

この歩くスケルトンは超自然的な技術で戦い、槍や刀で武装しています。 突刺武器や発射武器でそれを打ち倒そうとする英雄は状況ペナルティ(HeroQuestコアルール、p53)を受けます。

青銅スケルト

このスケルトンは青銅でコーティングされており、日常的な武器を使って倒すことは非常に困難です。それ以外の点では、一般的なスケルトンの通りです。

ストゥアワーム

この巨大で、混沌的で、手足のないドラゴン族は、致命的な凶暴性と共に湿原を這い回っています。
彼らはディレクティの助手のいずれかによって飼育され、彼の廃墟の天守閣でペットとして飼われていると噂されている。彼らは毒ガスを吐き、 驚くべき速さで傷を再生するため、彼らを殺すのはとても難しいことです。ストゥアワームの体長はおおむね15mを超えています。

歩く屍

湿原で遭遇する歩く屍は、すべてディレクティの部下です。これらは通常、3体かもう少し多いグループで動いています。ディレクティがパーティーに強い嫌悪を持っている場合、当事者は事実上無限に歩く屍に直面します。歩く屍(何か)の一団は、ルナー兵、ダック、トロウル、またはオーランス人などの、一般的な背景の生物で構成されています。最終的にディレクティは彼が利用できるあらゆる材料(生物)で作業するため、遭遇することのない一般的な歩く屍(何か)はありません。
素晴らしく奇妙な可能性のすべて、とりわけ縫い合わせた作品を詳述するために、GMは想像力を駆使することが推奨されます。

一般的な人間の歩く屍

この死体はディレクティの超自然的な魔術によって動かされています。それは、疲れることはなく、痛みも感じません。限られた知性しか持たないにもかかわらず、歩く屍は生者を憎んでいます。
彼らに対する矢や槍のような突刺武器による攻撃は、状況修正によってペナルティーを受けます。

ヘビ

マムシの何種類かだけでなく、他の危険な蛇も湿原に生息しています。湿原の蛇の大半は、水中だけでなく地上にも安住しています。

マムシ

これらの半水生の蛇は、日常的に1mを超え、一部は2mを超えることもあります。 彼らは攻撃的で、強い毒を持っています。咬まれると、ショック症状や死を引き起こす可能性さえあります。

ガラガラヘビ

この蛇は長さ2.5mを超えることがあります。それは通常攻撃の前にガラガラと音を鳴らします。その一咬みは激しい痛みと、しばしば死を引き起こします。

スピット蛇

この蛇は沼マムシに似ていますが、その喉から3mの範囲に毒を噴射します。毒は非常に強く匂い、少なくとも1週間、被害者の周りを漂います。

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続きはまたそのうちに。

アップランド湿原-7(遭遇-3)

下記はアップランド湿原-6(遭遇-2)の続き、Wyrms Footnotes 15のp22-23あたりの適当訳です。
英語の相当怪しい人ですので自分が使うのに困らない程度でしか訳していません。口調不統一や日本語として意味が通じなくてもご愛嬌。
いまやPDFで購入できますので、原本を当たられることをおすすめします。

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湿原での遭遇

湿原では3時間ごとに50%の遭遇機会があります。遭遇が振られたならば、次の遭遇テーブルでD100をロールします。

遭遇
01-04 01-05 混沌の恐怖:01-04 ブルー(D4+3),05-07 ドラゴンスネイル(D3+1),08 ゴープ(D6),09-10 ウォクタパス(D2)
05-07 06-15 クロコダイル(D3)
08-09 16-17 恐竜
10 18 不死者ドラゴニュート
11-17 19 ダック(D4)
18 - エルフ(D3)
19-22 20 飛行生物:01-02 ワイバーン,03-05 プテロダクテイル,06-07 グリフィン,08-09 ハーピー,10 特別な空中での遭遇
23 21-22 グール(D6)
24-28 23-27 ゴースト
29 28-29 ジャイアントトード(D3)
31 30-33 虫の群れ
32-44 34-49 ケルトン(D6)
45-46 50 蛇(D3)
47-48 51-53 ストゥアワーム
49-96 54-96 不死者の軍隊(D6+2)
97-98 97-98 レイス
99-00 99-00 特別な遭遇

生物解説

アップランド湿原は、自然および超自然の動植物を幅広く提供してくれます。
ディレクティは彼の領域の主人であることを確保するためには注意して警戒していますが、日々の普通の出来事を常に監視してはいません。

混沌の怪物達

混沌はグローランサ全体に存在し、アップランド湿原も例外ではありません。知性ある混沌生物のほとんどは、ディレクティとの関係に興味はなく、情報提供もしてくれません。これらの不正な怪物は、何世紀かにわたって湿原に迷い込んだもの達で、ここに滞在することを選択しました。 遭遇した具体的な混沌生物はD10をロールして決めます。

D10 混沌の怪物達
01-04 D4+3 ブルー(何匹かは死体性愛者)
05-07 D3+1 ドラゴンスネイル
08-D6 ゴープ
09-10 D2 ウォクタパス

ブルー

ブルーとの遭遇の例は「Sartar Companion」のp97-98を見てください。

ドラゴンスネイル

巨大なサイズにカオスによって変異かつて普通の池カタツムリの子孫。
混沌によって巨大に変異したカタツムリの子孫です。彼らは有機物なら何でも食べますが、今や複数の頭部と異常な生きた肉への異常な食欲を持っています。
ドラゴンスネイルは切るのも壊すのも困難な、分厚い殻を持っています。彼らは、湿地や水のある地域で見られます。

彼らは大暗黒の時代、スパイクが爆発し、ワクボスが大石塊で地面に縫い付けられ、その周囲が腐った沼地になったときに作られました。
ドラゴンスネイルはその明白な起源のために、しばしば「悪魔の一部」として知られています。

ドラゴンスネイルの混沌の諸相の例(一部)

複数の頭部:このドラゴンスネイルは複数の頭部を持つことによる困難のため、ナレーターの判断によって状況修正を受けることがあります。
炎の息:冒険者は、火と酸による痛みを克服しなければ、継続的なペナルティーを受けます。
魔法抵抗:ドラゴンスネイルが魔法に対抗しているときは難易度を引き上げます。

ゴープ

この形のない腐敗した組織の塊は、酸と腐食酵素を滴らせ、廃墟を抜け、水路の周りから滲み出てきます。
これらは、火や魔法によってのみ殺すことができます。武器では組織を傷つけることなくすり抜け、使い物にならないほど腐食されます。一つだけ救いがあるとするなら、ゴープはゆっくりと動き、不注意者を包み込んで襲うということです。
ディレクティはそれらが彼のゾンビや遺跡を損傷しがちなため、彼の領域にゴープの湧き出しがあることを好みません。彼の部下はそれらを発見したならば破壊していますが、混沌は何度でも湧き出して来るのです。

ウォクタパス

この混沌極まりない怪物は、巨大な触手を持つ蛸の頭と人間に似た体を持っています。ウォクタパス知性が欠如しているにも関わらず、戦うには手強く恐ろしい敵です。それは腕をバランスを取るために使い、8つの触手すべてで攻撃することができます。さらに悪いことに、タコが墨を吐くかのように、致死的な毒雲を噴出することができます。例え倒したとしても、ウォクタパスは混沌の能力により死ぬことはなく、ふたつに切り分けられてもそれぞれが完全なウォクタパスに戻っていきます。火は複製を遅らせますが、破壊することはできません。

河竜(クロコダイル)

河竜はクリークストリーム河沿いに大きな群れで暮らす水生爬虫類です。 彼らの多くは体長3m、270kg程度の体重です。しかし、彼らは生涯成長し続けます。いくらかの河竜は6mを超え、900kg以上の重さを持ちます。すべての河竜は人間に敵対的で、彼らは悪名高い人食いです。
グローランサで最大の河竜のいくつかが湿原に存在します。彼らはアンデッドからは単身離れていますが、冒険者からおいしい食事を作るのは大好きです。 遭遇した数としてD3をロールします。彼らの好む戦術は、ターゲットを噛みつき、水で溺れさせることです。

歩く屍恐竜

恐竜がこの地を避ける一方で、ディレクティは彼の部下がスピノサウルス平原から得た死体から、歩く屍を作り出すことに成功しています。少なくとも、ブトントサウルス1体とプレシオサウルス2体が目撃されています

歩く屍ドラゴニュート

ランダムに遭遇する歩く屍ドラゴニュートは、すべて一つの固体を起源としています。 彼らは死によって辱められたかつてのゾンビ化した生活のひとつです。毎回、彼が戻って来て殺されることは、破壊するためのゾンビをもう一体生み出すことを意味します。 彼は常に失敗します。

恐怖との遭遇

混沌の怪物と不死者は普通の人を恐れさせます。誰もが混沌は世界を破壊していることを知っています。多くの人が混沌の怪物達に家畜を殺された結果を見てきました。 何人かは愛する人を失っています。少数の人は、冒涜的で、ありえない、怪物のような生物それ自身を見ているでしょう。
それは混沌に直面したときに、立ち向かう勇敢な人々を作り出します。オーランスの秘密、「我が戦い、我らが勝った」はそのような個人的な勇気です。人々は定期的に混沌の敵に立ち向かうために、ウロックスの狂乱を容認しています。
混沌の怪物と不死の怪物との最初の遭遇は、プレイヤーが常に立ち向かうかどうかを確認するための、簡単な試しである必要があります。
失敗は、それ以降の試しで、プレイヤーキャラクターが可能であれば、恐怖から逃げようとすることです。
また、敗北や結果の引き伸ばしは、恐怖に立ち向かうかどうかのチェックを持ち越すことになります。
完敗したプレイヤーキャラクターは、それ以降、しかるべき混沌や不死者から常に逃げるでしょう。完全な勝利は混沌や不死者に対するそれ以上の試しが必要ないことを意味します。オーランス人は、そうした人を「星の心の秘密」を得た、と言います。
ウロックスやフマクトのうな少数のカルトは、彼らや他者を混沌や不死者に立ち向かわせることのできる魔術を持っています。

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続き →アップランド湿原-8(遭遇-4)

アップランド湿原-6(遭遇-2)

下記はアップランド湿原-5(遭遇-1)の続き、Wyrms Footnotes 15のp21-22あたりの適当訳です。
英語の相当怪しい人ですので自分が使うのに困らない程度でしか訳していません。口調不統一や日本語として意味が通じなくてもご愛嬌。
いまやPDFで購入できますので、原本を当たられることをおすすめします。

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空中での遭遇

徒歩による困難や危険な旅を避けるため、湿原の上空を飛行する誘惑にかられがちですが、現実はまったく違います。ほとんどの死肉を漁る鳥は、湿原の沼地の不気味な性質によって追い払われますが、それは空に何もいないということを意味しません。大部分の生きている生物(半知的なものさえ)は霧に飛び込むことを拒否するものの、霧より上を飛ぶことはできます。
ディレクティの最強のゾンビには魔的に回復された飛行能力を持つものがいます。彼らの戦術は単純で、飛行する侵入者を湿原へと叩き落して動けなくします。このように、彼らは常に、飛行する乗騎を最初に攻撃します。
ディレクティは彼の飛行するしもべのうち、特に、地上侵攻に対して航空支援となるハーピーを使用することが知られています湿原の上空を飛ぶものは誰でも、10分ごとに75%確率で遭遇の機会があります。遭遇が発生したなら、ディレクティは侵入者を迎撃するために何を派遣するかを決定します。

D10 空中での遭遇
01-02 ワイバーン
03-05 翼手竜(Pterodactyls)
06-07 グリフィン
08-09 ハーピー
10 特別な空中での遭遇

生ける屍ワイバーン(Animated Wyverns)

ワイバーンは革の翼と一対の脚を持つ、竜に似た怪物です。彼らは、先端に邪悪なとげのある針がついた、鞭のようにしなやかな尾を持っている。生きているとき、彼らは200〜500キロの重さと4.5〜12メートルの体長を持ちます。彼らはドラゴンパスではかなり一般的な生物です。
ディレクティは、戦闘機として、2から4匹の屍ワイバーンの小さなパトロールを作り出しています。

生ける屍翼手竜(Animated Pterodactyls)

翼手竜はスピノサウルス平原では一般的な生物です。
生きているとき、彼らは1.5メートル程度の翼幅を持っています。ディレクティは、偵察部隊として、4から9匹の翼手竜の群れを作り出しています。

生ける屍グリフィン(Animated Griffins)

何世紀もかけて、ディレクティはどうにかいくつかのグリフィン死体を入手しました。
生きているとき、グリフィンはライオンの胴体と頭を持ち、鉤爪と大鷲の翼を持つ、空を飛ぶ巨大な肉食動物です。成体のグリフィンは220キロ〜270キロの体重で、体長はしばしば3メートルを超えます。
ディレクティの魔法によって動き出したグリフィンは、重戦闘機として、2〜4匹の集団で湿原をパトロールしています

ハーピー

ハーピーは、病気を媒介し、旅人を苦しめることを歓喜する、厄介な飛行生物です。
彼らは、幅広い羽の翼と人間の首と顔を持っています。彼らの足には致死的な爪があり、羽毛の腹は膨れ上がっています。ハーピーは、悪質で残酷で暴力的です。彼らは旅行者を誘拐し、拷問することが知られています。
ハーピーの小さな群れが、ディレクティの下に避難所を見出しました。彼らはディレクティの廃墟を含め、湿原中に散らばって住んでいます。湿原のアンデッドは彼らを無視します、ハーピーはアンデッドではありません。
彼らはしばしば、侵入者の強さを適切に測るためのスパイとして、彼に送り出されます。彼らは自分より弱い相手を攻撃しますが、貴重品を盗むために、夜の闇に覆われるまで隠れて待つことが知られています。

空中での特別な遭遇

これらのディレクティの貴重な至宝との遭遇は、不可能とも思える障害を乗り越える英雄のために使われるべきです。

ハーフゴルゴン(The Half-Gorgon)

ディレクティと助手の別の作品で、彼らが何世紀も前に仕事を止める前には、このゴルゴンは一部しか完成していませんでした。刻み屋とお針子は、修理が必要になるたびにいくつかの改造を行うため、この怪物との遭遇はナレーター次第で変わります。
真のゴルゴンの髪は生きた毒蛇であり、見た人々を石へと変える恐ろしい顔を持っています。金色の翼、獰猛な爪、猪の牙を持ちますが、胴体は女性です。それは地界の恐怖であり、彼らの魔法の力は、死の後までも続きます。
この怪物と真のゴルゴンの最も大きな違いは、 頭の上に僅かな蛇が蒔いてあることと、胴体がハッグではなくハーピーであることです。コウモリのような翼は左右で大きさが異なり、遅い飛行速度を補う専用魔法で構成されています。青銅の鱗はまちまちな形と大きさで、主に継続的に行われる修理の結果です。

青銅夢ドラゴン(Bronze Dream Dragon)

ディレクティの信奉者たる錬金術師は、この怪物を主人に奉納するために、20年以上をかけて作り上げました。それは青銅で浸漬処理をした夢ドラゴンの骨で構成されています
ブロンズドラゴンは超自然的な飛行呪文によって飛び回り、空中で、地上であるかのように戦います。それは、短剣のごとき歯、剣のごとき爪、滴る炎を使って襲い掛かります。さらに、その残虐なアンサンブルの仕上げとして、青銅の尾にはサソリの毒針が移植されています。

"スカイブル"追跡獣(Seeker the Skybull)

この魔導による怪物には、おおむねスカイブルのように見えますが、追跡獣にはいくつかの明白なもしくは微妙な違いがあります。
最も顕著な違いは、巨大なコウモリの翅、鞭のような尾、光る目です。また、鉄の蹄と角を持っており、湿原に侵入した古の種族と戦うときには明白な利点となります。それは湿原のもっとも濁った部分さえ問題にせず、迅速に移動します。輝く緑の光で闇と霧を見通す能力を持つことから、追跡獣の名を持ちます。

"ロック鳥"イオン(Aeon the Roc)

この忌まわしき魔術の産物は、45メートルの翼幅を持つ巨大な鷲、ロックの生ける屍です!
それは馬の大きさの石を上から落とし、青銅の鋭いくちばしは盾を貫いて切り裂き、鎧はないのと同じです。

ディレクティはロックに忌まわしき改造を施しました。イオンの背に縫い付けられているのは、5体の上半身です(緊急時には適当に追加します)。それぞれがヘビークロスボウの素晴らしい射出機になっています。各上半身には5本の腕を追加してあり、2つのヘビークロスボウを引き絞って準備できます。
愚か者がイオンの背に立ち、上半身達と戦おうとしたならば、簡単に彼ら自身が押し出されるのに気がつくでしょう。
老イオンは、EWFの時代からディレクティと共にいます。普通なら、こんな不死の怪物を好奇の目から隠すのは簡単ではありません。しかし偉大な魔術師はそれを問題にもしていません。ディレクティは、彼の廃墟にある中庭の屋根付きの場所で、簡素な鉄の檻にロックを入れています。飛行生物がその魔術をかけられた止まり木に降り立った瞬間、生物は鷹の大きさに縮みます。生物がそこから飛び立った瞬間に、彼らは元の大きさに戻ります。

GMへのノート

もし飛行する冒険者達が、障害なくディレクティの廃墟を急襲し、打撃を与え、任務を遂行し、安全に離脱できたなら、それは非常に興を削ぐでしょう。間違いなく、彼らがそこで、とても暖かい歓迎を受けないことはないのです。
不死の衛兵は眠りません。

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続き → アップランド湿原-7(遭遇-3)

アップランド湿原-5(遭遇-1)

下記はアップランド湿原-4の続き、Wyrms Footnotes 15のp19-20あたりの適当訳です。
英語の相当怪しい人ですので自分が使うのに困らない程度でしか訳していません。口調不統一や日本語として意味が通じなくてもご愛嬌。
いまやPDFで購入できますので、原本を当たられることをおすすめします。

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湿原での遭遇

このセクションはディレクティの領域に入った時、侵入者たちが何に遭遇するかという、一般的なガイドラインとしてデザインされています。湿原の環境は、刻一刻と物理的に変化します。
島は彷徨い、遺跡はゆるやかに沈み(時には浮かび上がり)、周囲には不死者たちがよろめき歩きます。地図は信頼できる相手から入手したとしても、信頼性が低いことで悪名を馳せています。
アップランド湿原はゆっくりと動く濁った汚泥に囲まれた、汚い島や剥き出しの岩の寄せ集めです。物理的には、ザ・クリークとザ・リバーの両方がそこを流れ抜けていますが、彼らの通り道は、堆積物の河で繋がれた、小さな湖の動きのない連なりです。サイプレス沼地とルイジアナのバイユー*1を思い浮かべましょう。木々が苔に覆われた風景。あなたはそこにいます。立ち去りましょう。

湿原を旅する

湿原の大地を移動するのは非常に困難です。
一般的な獣は苦しみ喘ぎ、最高に訓練された乗騎は、一歩も踏み出そうとしないでしょう。いずれにせよ、これらに乗ることは不可能です。唯一、地形への生来の親和性を持つダックだけが、普段に近い速さで移動できます。

ディレクティの壊れし使い魔リハリャ(Rihalya)が、絶えることのない霧のマントで彼女の主人を守っています。このため、視界は日中で30メートル程度、夜間はおそらく1〜6メートル程度に制限されています。彼女は湿原を広げるための準備として、厚い霧を立ち込めさせます。彼女たちが湿原の外に踏み出そうとしたときはいつでも、彼女は闇の娘達の淫猥な踊りの先陣を切ります。魔法で強化された場合を除いて、拡張された様々な形態の視力のもっとも強力なトロウルのダークセンスでさえ、基本的には役に立ちません。
この空気はありとあらゆる奇妙な匂いと不気味な音で満たされています。時には、窒息するほどの腐敗臭さえします。湿原に踏み込んだものは、個別の匂いを区別できなくなります。多くの飛行生物も、湿原の上空域を避けようとしますが、訓練された乗騎であれば飛行することができます。知性のある乗騎はほとんど、強制されない限り霧に向かって降りようとせず、ましてや着地しようとはしないでしょう。

ダックと湿原

ダックの案内人なしに湿原を探索することは、ほぼ不可能です。無限に押し寄せる歩く死体達が彼らを泥の下に引きずり込み、生けざるものの軍団の仲間入りをさせてくれます。
ところが、ダック達(ドゥルルズと自称する)の小船は、比較的安全にアップランド湿原を動き回ります。
賢い冒険者は、常に湿原に入る前にダックの案内人を探します。
闇の季に湿原を通り抜けることは特に困難です。湿原のドロドロの水が、ボートの漕げるわずかなぬかるみの路を残して凍結してしまうからです。ドゥルルズの船頭は氷のような水に棹さして、自分の道を進むのに驚くほど優れていますが、それでも闇の季の温度があまりにも下がりすぎると、ダックはお手上げになります。彼らは、リビングデッドは寒さで悩むことはないと警告しますが、少なくとも、いつもは湿原を覆っている虫や蚊の群れは静かになります。

ディレクティのアンデッドについての注意

ディレクティのアンデッドは、彼が特定の戦闘に焦点を当てて彼の力で直接制御しない限り、おおむね機械的な防衛行動に従います。ディレクティは、時折、彼のアンデッドが強力な人々を打ち負かして、捕縛することを好みます。他の者は死ぬまでバラされます。溺死がもっともお気に入りの攻撃です。なぜなら、損傷のない死体が保証されるためです。
湿原内には、小さな領土を支配する強力なアンデッドが何体もいます。彼らがディレクティに忠誠を誓っている限り、彼らがその小さな領土の中で何を行うかは、比較的自由に任されています。ディレクティの不死の部下達は、何世紀にも渡って、非常にゆっくりと腐敗しています。湿原の外に出たゾンビの腐敗が加速することが観察されています。腐りきったゾンビの多くは、彼らの途切れぬ記録を、スケルトンとして続けます。

結局のところ、ディレクティ以外、彼が何をしているかについて、自信をもって答えられる者はいません。何人かの部外者は、湿原内で彼の目を逃れることはできないと思っています。他の者は、彼らが非常に力を持っているか、直接彼や領土を脅かさない限り、ディレクティはほとんど侵入者に関心をはらわないと思っています。
彼のサンザシの木への攻撃、フマクト信徒の大規模な侵攻、彼の廃墟への侵入は、常に彼の注意を引きます。彼が必要としたときに召集できる軍隊は相当のものです。

ドゥルルズの小船

多くのドゥルルズの小船は、ドゥルルズがその横を泳ぐ、堅く編まれた葦船です。貨物と物品は、防水革と葦容器に置かれて、ボートにつながれます。より大きな貨物と人間の乗客は、葦のいかだの上にあまり区別なく積み上げられます。船頭はいかだを操縦するために、淀んだ水に棹さすか、そのそばを泳ぎます。
ダックは、一見無造作にいかだを繋いだり離したりします。
ドゥルルズの小船には、おかしな名前(「ナメクジ急行」、「ミミズの鞄」、「クアックフォードの誇り」と「ゴープ狩師」のような)が派手に描かれれます。それらは精霊か小さな守護者のいる粗雑な呪付か焦点具に違いないと言うものもいます。
ダックは、彼らの乗客が、旅行にまつわるすべての守るべき儀式を遵守をしてくれるのを期待します。

ドゥルルズの旅客向けの「渡し船」は交易語では「びちゃびちゃ(ウェティ・ウェティ)」として知られています。 渡しのための交渉は大声でどなりあう手順を踏みます。全員とその荷物を載せるよう強制する行為も同様です。そして、もし自分用のボートを雇えたと思っているのならばそれは大きな間違いです。妙な装飾品をつけた年取ったダック婆あや臭う沼足をした不快な蝸牛飼いの雄ダックがべっとりまとわりつく財産と一緒に乗り込んできて、あなたを押し潰すでしょう。
それでも最悪というには十分ではなく、ボートは回り道をし、蒸しカタツムリの箱、キャベツの籠、湿った羽といっしょに他の乗客を拾い上げることさえあります。そして、船頭が密輸されたルナー製のジンで酔っぱらっている間、彼らは口論しながらグワッグワッと奇妙な歌を歌い始めます。多くのサーター人は、ドゥルルズの手でそんな目に合わされるより、不死者の軍の危険に立ち向かうことを好むと言われます。

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続き → アップランド湿原-6(遭遇-2)

*1:細くて、ゆっくりと流れる小川

アップランド湿原-4

下記はアップランド湿原-3の続き、Wyrms Footnotes 15のp16-19あたりの囲み記事の適当訳です。
英語の相当怪しい人ですので自分が使うのに困らない程度でしか訳していません。口調不統一や日本語として意味が通じなくてもご愛嬌。
いまやPDFで購入できますので、原本を当たられることをおすすめします。

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地図

16〜17ページに載せたフィル·アンデルセンの湿原地図は、グレッグのオリジナル手描き地図に基づいています。

記事

これは、グレッグ、サンディ、デビッド·ホール、マイケル·オブライエン、リック・メインツとジェフ·リチャードからの素材を使用した、チームの努力の結晶。過酷な遭遇のほとんどは”どんなキャラクターをも殺す”サンディピーターセンによるものです。

リスメルダー部族

リスメルダーは湿原に接し、他のどのサーター部族よりも、ディレクティと彼の不死の軍団に立ち向かう必要があります。
何世紀も前に、リスメルダーは戦いと抗争で自滅したマラニ族から分離独立しました。1380年にリスメルダーとコリマー部族はダック谷の豊かな農地を手にしようとしました。唯一の居住者は、さまざまな獣人と、人ににた鳥に見えるドゥルルズと呼ばれる者達だけでした。
攻撃は成功しました。
しかし、3年後、近くのアップランド湿原から、歩く死体の侵略を受けました。
いくつかは非常に古いものでした。 リスメルダー部族はフュルドから戦士を召喚しましたが、彼らはだまされ、その戦いで彼らの女王を失いました。
死者の死体は邪悪な魔術によってディレクティ軍に参加することを強制され、不死者達は自分の家と領地を燃やし始めました。
”灰色犬”インドロダール、フマクトの英雄は、彼の女王の復讐をしました。彼はすでに”狂った血の”マランとその息子たちと戦ったことで有名でした。 インドロダールは奇妙なドゥルルズと和平することをリスメルダーに強制し、部族を彼らの保護下に置きました。

彼は闇の中で、ドワーフが不死者の軍の王、ノントラヤと戦うために鍛えた剣、「怒り」をドワーフから勝ち取りました。「怒り」は生けざる者に死をもたらすその力で長い間有名でした。 「怒り」で武装したインドロダールは、彼の女王の飢えた死体を探し、アップランド湿原に踏み込みました。
生けざるものとの7年の戦いの後、インドロダールはディレクティを傷つけ、女王リスメルダーのワイトを倒すことができました。
彼は湿原のフマクトの聖地、火葬島で女王の死体を燃やしました。
何年かの後、インドロダールは彼のダックの案内人と共に湿原に戻り、吼える塔でディレクティ本人を探しました。インドロダールはそれ以降戻りませんでした(案内人もまた)。

それ以降、 リスメルダーはドゥルルズの忠実な同盟国です。彼らは多くの場合、スターファイヤー·リッジのオーランス氏族と灰色犬の一族にいまだ燻っている古い遺恨のため、より強力なコリマー部族と戦ってきました。
1621年時点では、グレイドッッグ、ゴッドソード、マーシュエッジ、ポス、ロンデンディ、ボストロップ、グッドウェーバー、およびヒルヘブンの8氏族、5,000人で構成されています
1616以降は、ポス氏族の毛深きハラヴァルドが王になっています。リスメルダーの中では、他のどのサーター部族より、フマクトが重要です。

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続き → アップランド湿原-5(遭遇-1)