牽制地域(ZOC)を使用した戦闘

以前ルーンクエスト3版におけるZOCルールを上げましたが、久しぶりにハウスルール全体を整える中で整理したので記事にしてみる。
http://www30.atwiki.jp/hazama/pages/1401.html

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牽制地域(ZOC)を使用した戦闘

 ルーンクエストの戦闘は一瞬の攻撃・受け・回避ではなく「牽制を含む一連の連続した行動」です。攻撃ロールで戦闘行動が終わるのではなく、1ラウンドを通して警戒し、ステップを踏み、間合いを調整していると考えます。
 この、間合いを調整する意思のある状態が「牽制状態」です。呪文の投射、応急手当、宣言に戦闘行動を含まない移動中は牽制状態ではないと考えます。投式武器と発射レートがSRの射出武器の使用中は牽制状態ですが、発射レートがMR以上の射出武器の使用中は牽制状態ではありません。行動変更の間の3SRは、変更後の行動と同じ状態です。
 牽制状態でないキャラクターへの近接攻撃には+25のボーナスがつきます。受けや回避に回す戦闘行動が残っていなくても、牽制状態で間合いの調整を行うのであれば、このボーナスはつきません。

 牽制状態にある人間サイズのキャラクターは、1へクス1mのマップ上で自分の正面とその左右の3へクス(3スクエア)の「牽制地域(ZOC)」を持ちます。ZOCを使用した戦闘ではキャラクターの攻撃と受けはZOCに対して行います。
 ZOCを用いた戦闘では「XにYで攻撃」という対象を明示した宣言だけでなく、ZOCを目標として「最初に入ってきた相手にYで」「Xが入ってきたらYで」のような宣言ができます。
 「最初に入ってきた相手にYとZで」「最初に入ってきた相手にY、次に入ってきた相手にZ」「Xが入ってきたらYとZで」「X1が入ってきたらYで、X2が入ってきたらZで」は認められますが、「攻撃SRまでに倒れていない方をYで」といった戦闘中のダイスロールの結果に左右される宣言はできません。
 キャラクターは牽制状態を保ったまま、1SRに120度(スクエアの場合は90度)ターンできます。180度のターンは牽制状態を解除します。
 右手に剣、左手に盾を持っている場合、感覚的には右斜め後ろは攻撃できそうですし、左斜め後ろは受けられそうですが、ZOCルールではこれは体を回転させていると考えます。相手はまっすぐ武器を振るわけではなくフェイントを織り交ぜます。120度しか視覚範囲のない人間は、挟み撃ちの同時攻撃に対して攻撃と受けを同時に行うことはできません。

機会攻撃

 敵陣営のZOCに入っていないキャラクターはDEXSRM+武器SRMで近接攻撃を行えます。ZOCから相手が離脱しようとした場合、戦闘行動が残っている牽制状態のキャラクターは、離脱するSRに攻撃を行えます。これらを機会攻撃と呼びます。
 複数人で戦列を組んだ場合、各キャラクターのZOCが重なり合います。敵味方のZOCが重なっているへクスから離脱する場合、そのへクスに敵の牽制と同数の味方の牽制が残せるなら、離脱するキャラクターへの機会攻撃は発生しません。
 1ラウンドを防御に専念したキャラクターは、SR10に機会攻撃を受けることなく移動力分離れたへクスに移動できます。移動できる場所がなければ、ZOCを抜けることはできません。

ZOCを通り抜ける

 ZOC内では牽制者の許可なしに、牽制者側に通り抜けることはできません。牽制者を振り切ってZOCを通り抜けるには3つの方法があります。
 ひとつめは牽制者の攻撃を回避でかわしてすり抜ける方法です。回避の成功度が牽制者の攻撃の成功度より高ければ場合(ex.攻撃失敗に対する回避成功)、キャラクターはZOCを通り抜けることができます。
 ふたつめは牽制者に攻撃を回避させる方法です。攻撃が成功し、かつ成功度が牽制者の回避の成功度と同等以上であれば(ex.攻撃成功に対する回避成功)、キャラクターはZOCを通り抜けることができます。
 みっつめはなんの対策もせず、牽制者の攻撃に+25をつけた機会攻撃を甘んじて受けながら前進することです。このときも牽制者が移動方向のへクスに立ちふさがるなら、別途体当たりなどで相手を押しのける必要があります。

空間の制限された状態での戦闘

 上級ルールp9の「せまい通路」を置き換えます。
 近接武器を使った戦闘に支障をきたさないためには、本人の周囲にスペースが必要です。
 1へクス(スクエア)1mのマップでは1へクスを1エリア、天井の高さを1エリアと数えます。
 SR1の武器は自分の周囲1エリアに障害がなく、天井が身長の1.5倍必要です。SR2の武器は攻撃対象の左右いずれかのエリアに障害がなく天井が身長の1.2倍必要です。この条件に満たない場合、足りない1エリアにつき成功率に20%のペナルティーを受けます。
 刺突武器は受けの成功率にペナルティーを受けますが、攻撃の成功率にはペナルティーを受けません。

 目標以外に命中することに目をつぶって、ぺナルティーを無視して攻撃することも可能です。不足するエリアに1から番号をつけ、攻撃判定の後に1D6をロールします。不足するエリア番号の目が出たなら、そのエリアの障害に命中したことになります。
 ダメージをロールし、障害のAPを超えた分を半分にして障害に適用します。また、障害に阻まれたダメージが武器のAPを超えたなら、超過分を武器のAPから減らします。

 回避は周囲に障害物のない3エリアを必要とします。壁や大きな家具などの障害物があって必要なエリアが満たせない場合、回避の成功率は1エリアにつき20%低下します。

へクスマップでの事例

◎自分/★目標/■障害/□空間
  □★
 □◎■
  □□
SR1 -20
SR2
回避
  ★□
 □◎□
  ■■
SR1 -40
SR2
回避
  ★■
 □◎□
  ■■
SR1 -60
SR2
回避-20
  ★■
 ■◎■
  □□
SR1 -60
SR2 -20
回避-20
  ★□
 ■◎■
  ■■
SR1 -80
SR2
回避-40
  ★■
 ■◎■
  ■■
SR1 -100
SR2 -20
回避-60