精霊呪文を獲得するための精霊リスト
ルーンクエスト・グローランサではかなりアニミズムにこだわって精霊を定義していこうとしています。
RQG版のグローランサ動物誌の精霊の項目を見ると、ルーンクエスト3版にいた呪文精霊は廃止され、精霊の持つ呪文能力はその生態/存在としてのありようを借り受けるものだというのがわかります。
p355 精霊魔術の習得
祈祷師は望む精霊魔術を代金を支払わなくても自由に 学ぶことができます(ただしカルトの制約や禁忌など別 の理由で祈祷師が学ぶことを禁じられている特定の呪文 は除きます)。祈祷師は単に精霊界に赴き、関係する精霊 と話し、焦点具を制作するだけでよいのです。祈祷師は これを1日に1回行うことができます。
p363 精霊の能力値
動物や植物を含む定命の存在、岩石、小川、湖沼など、 現し世の自然界に存在する全てのものは、物質的な実体(肉 体など)と精霊から成り立っています。精霊が肉体から 離れることを死といいます。
ところが、どんな精霊がどういう呪文を提供しうるかの例は書いてありますが、どの呪文がどの精霊から得られるか調べたところ、半分以下しか設定されていない状態でした。
ということで、精霊呪文の一覧にグローランサ動物誌記載の公式例を記載し、そこに独自の呪文を提供しうる精霊のリストを作成してみました。
どなたかのゲームの参考になればと思います。
そのうち、個々に具体的な焦点具や、精霊との契約交渉の内容、呪文投射の祝詞など設定できると良いかもしれませんね。
超ロングキャンペーン【群島】の設計/構造/経験の振り返り その1
20年150話続けた長大キャンペーンが終わったので、キャンペーン設計や運営で得た各種知見をまとめる記事を書いていきたいと思います。
キャンペーンの思い出語りではなく、GMとして考えたこととか技術とかルーリングと世界運営の話。
初回はキャンペーンの構造設計についてです。
キャンペーンの設計動機
最初の構想は「参加者手上げ方式+大人数での入れ替わり制」でした。
目的は以下の通りです。
- 長期キャンペーンを安定して稼働させたい
- 参加者の日程に左右されず、自由に出入りできるようにしたい
- プレイヤー欠席時に「キャラクターはいるけど発言しない/死なない/都合でその場にいない」というご都合主義は嫌
- 前回いなかったキャラクターが突然登場するご都合展開も嫌
- ルーンクエストの戦闘はシビアに運用したい。ただキャラクターの継続性はできれば守りたい。手加減や救済措置は嫌
- 「一緒にいる」理由付けをプレイヤーがこじつけたり、暗黙や惰性で一緒にいるのは嫌
わがままですねw
ここから捻りだしたギミックが、
「他のPCに思い出されることで死んだとしても生き返る/忘れられればロストする」
という仕組みです。
舞台設定と夢魔術の導入
人の記憶がアイデンティティーを定義する というのはグローランサとして正しい気はしますが、これを主要地域で展開すると世界全体に過大な影響を与えてしまいます。舞台を閉鎖的な場所に絞る必要がありました。
東方諸島の「夢魔術」がギミックとの相性が良さそうです。
ただし、東方諸島の公式情報は少なく、さらに思い出したら死者が復活するのが社会標準では、極めて特殊な社会になってしまいます。プレイヤーに現地出身キャラクターを作らせるほどの背景構築は困難です。
そこで以下の構造を採用しました。
- 精霊界や神界のような「夢界」由来の魔術構造は用意するが、社会的に本質が明らかになる理解はされていない
- プレイヤーキャラクターは外来者としてその地に来て、「夢界」の本質的な力を得る
- その力は他地域には持ち出せない
- プレイヤーキャラクターは「異邦人」として、地域と自分たちの状況を知っていく
つまり、このキャンペーンの基本的な娯楽は「センス・オブ・ワンダー」にあります。
夢魔術の構想
夢魔術は公式で示唆されていますが、いつものことですが設定がない。
「精霊/神性/魔導」と被らず、意思で世界と向き合う悟法のバリエーションもしくは反対の性質だろうと予測して独自に設計。
基本原理は 「夢が現実になる」。
グローランサ的にはその裏に 「現実が夢になる」 という秘密が隠されていることになります。
色即是空。空即是色。
出来事が「本当になる/嘘になる」確率は、それを信じるPOWの総量で決定される、とする。
ただし、この原理を多数が意識すると観測によって結果が固定され、夢魔術は機能しなくなるはずです。
従って夢魔術を理解している者はそれを秘匿するでしょう。
ゲームルール化は困難でしたが、とりあえず以下の形で設計しました。
- 「夢符」と呼ばれる呪符を枕の下に入れて眠る
- 書かれた技能に対する「出目」を保持できる
- 良い出目も悪い出目も保持対象
- 保持できる量に上限があり、悪い出目を使わないと強制的に悪い結果が発動する
- 社会的には占いの一種として理解される
なお、夢魔術は序盤は導入せず、中盤以降に登場させることでプレイヤーを混乱させないようにしました。(ただし最終的にはあまりうまく機能しませんでした。楽しくない。)
「思い出されると生き返る」
キャラクター復活の仕掛けについて下記を考察。
- PC達のみを束ねて適用する以上、なんらかの共通性が必要。同時に死に「何らかの作用」で蘇った一群とする
- 死んだ仲間を生き返らせると「夢と現があいまい」ではなくなってしまう。戦闘中に怪我が治って蘇生するとかではなく、寝て、夢に現れた仲間がいつのまにかそこにいるほうがよい
- 明らかに悲劇を起こす仕組みなので、PC達が世界で唯一だと失敗事例を学ぶ機会がない。稀に発生し、知見を持つ集団を配置する
- 彼らは一種の不死であり、研究や財力で製造可能なら権力者が乱用する。「製造不可能」「現れるたびに争奪戦となる」存在に設定するのがよい
- 明らかに学習を繰り返して人を超えてしまうため、過去に「世界の支配者」になれなかった理由も必要
ジュブナイル
夢魔術や東方諸島という特殊環境になるので、既存カルトの枠組みは邪魔になるので排除します。
メインプレイヤー2人はルールや設定へのこだわりが強くないため、むしろ「成人前の若者」で十分でしょう。
ここでテーマを少年少女の未知への冒険譚、 「ジュブナイル」 としました。
- 少年少女が見知らぬ土地で出会い、お互いを知り、手を取り合って冒険する
- 異国の人々との心温まる交流がある。しかし特殊な存在ゆえに権力に追われ、利用され、逃れ、故郷へ帰ろうとする
- 現地で地位を築くなど別ルートもありうるが、本筋は「行きて帰りし物語」
- ダイスによって話は歪むので、基本の組み立てはシンプルに
ただし、「帰りたい」渇望を維持できず、現地に迎合し、そこで生きて/死んでいくという着地の可能性も高く、このままでは物語としての構造が不足だなと感じていました。
「反神」「蟲」のインスピレーション
構造を強化するために、東方諸島の神話や設定を参照しながら、魔術原理について考えます。
- 「同時に死んで、なんらかの働きで生き返った一群」の「なんらかの働き」は何か
- カルトとの関わりを薄めたキャラクター達にどうやって能力的な個性を獲得させればよいか
- なにか特殊なアイテムに紐づいている
→ アイテムの場所や状態、アイテムそのものの争奪・破壊などキャラクターへの支配性が強い。 - 特定のPC依存
→ その一人が特別になりすぎる。
賢者マシュナサンとオォルス・サーラーの悟法による対決を何度か読み返して、
「悟法によって”汝は夢である”と喝破され、世界から払われた反神」
というインスピレーションが降りてきました。
彼(別にオォルス・サーラーでなくてもよい)はグローランサに帰りたいはずです。
そしてそれはグローランサから見れば、混沌の侵入に他なりません。
夢の反神だけでは世界を構築するマテリアルが足りない。
グローランサの外から飛来し、時の網の防衛機構(ゴキブリホイホイ)に捕まって死にゆく(インドネシアぐらいの大きさの)巨大な”蟲”を見つけた反神は、蟲と一体化し、「自分の支配していた想い出の人間世界」を夢に見ます。
蟲の身体が世界として機能し、反神と共に追い出された者たち、グローランサの外に流れ出た魂の欠片たちを捉え、かりそめの人として営みを始め、千年以上が経過した世界。
そして状態が良かったゆえに記憶を保ったまま流れ着いたPC達の魂が肉体を得て、蟲の権能を一部委譲されて、異邦人としてそこに降り立ちます。
PC達の郷愁を、蟲の「入りたい」と反神の「帰りたい」と重ねる。
ただし、蟲の「入りたい」をPC達に押し付けてはいけない。
押し付けないからこそ、蟲と自分を異なるものとして拒否できない。
PC達が帰還を諦めたなら、それは蟲の諦めであり、蟲はそのまま死んでゆく。
これで最終的な葛藤がひとつの軸に整理されます。
- 混沌を持ち込んではいけない。俺たちはここで滅びよう
- 混沌を持ち込むのは悪かもしれない、でも帰りたい。帰ろう
- 混沌は持ち込まない。でも帰りたい。そのためには…
どういう判断をしたとしても、美しい物語が成立します。
「眠呪牢(ミンジュウルゥ)」
さらに、「PC達が蟲の意思/ホルモン/細胞」という定義から、各PCに生体的な権能(情報伝達、治癒、破壊、複写、生成など)を付与する着想も得ました。
カルトを除去したことによる個性の希薄化を、権能の付与で補うことができます。
東方諸島のある海域で死んだ魂、精霊界にたどり着けぬ迷った魂が、グローランサに空いた穴から流出し、彼岸として流れ着く混沌の蟲を足場としたドリームランド。
反神の想い出の東方世界で、いくつもの国を形作り、泣き、笑い、日々を営む魂の残滓たち。
その中で特権的な蟲の細胞に焼き付けられた特別な力を持つPC達「眠呪牢(ミンジュウルゥ)」が、自分たちの謎を解き明かしながら帰郷を祈る。
【群島】キャンペーンの基本コンセプトはこうして構成されました。
ただ、どうせ1回死ぬまで発生しないので、この段階では「思い出されると蘇る」の具体的ルールは決めず、世界律としての設定にとどめました。
最初は「無人島での若者たちのジュブナイル集団生活」から始め、プレイヤーの相性やキャラクターを見てから詳細を組み上げることにします。
2004/09/11 新キャンペーン告知
キャンペーンの告知が下記の文です。
- 今回は「グローランサ」や私のキャンペーンの本流ではなく、プレイヤーの交流を主目的としたリラックスしたセッションを目指します。
- 場所は東方諸島。その中でも「大閉鎖」の影響で、周囲との交通の困難な地域です。
- プレイヤーキャラクターは聖王国からの船が難破して漂着したところから始まります。従ってドラゴンパス周辺の出身。無理なく理由付けできるなら他地域でも可。
- 中学・高校程度の少年少女推奨。無人島ではないし、15少年漂流記ってわけじゃないですが、あまりに社会性が高かったりすると「心細さ」が出ません。年齢の下限はロールプレイして人に迷惑をかけない範囲で。8歳ぐらいからですか。18歳以上の大人はプレイヤー間で調整して1~2人程度なら可。
- プレイヤーキャラクターの文化圏やカルトは自由ですが、人間のみ。魔導師・祈祷師禁止。司祭は非活動になるの覚悟で可。複数キャラクターを使い分けてもかまいません。
- 非常に小さな島が、無数に浮かび、島と島の間は船で5分から2時間ぐらいで行き来できます。また、東方諸島の主地域とはちょっと飛び地になったところで、一定の海域に大閉鎖の影響が残っているために、大型船が通行できません。従って、文明的にも未開色が強く、無人島のほうが多くなります。
- 時代設定は1616年ぐらいにしておきましょうか。ひとキャンペーン終わって本土に戻れれば、本流に合流できるかも。
超ロングキャンペーン【群島】の設計/構造/経験の振り返り 第一回はここまで。
RQGで《破門》は司祭の管轄寺院群にしか効果がないし神性呪文も失わない
RQGのルールを確認していく記事その2
RQGでは、《破門》は投射する司祭が管轄する寺院(群)でのみ効果を持ちます。
RQ3の《破門》は神と破門の対象となるキャラクターの間の魔術的な絆を切るように読めます。
Well of DaliathでQ&Aも出ています。
信仰が神と個人の間の「法則」ではなく、個人と社会の間の「法」に堕ちているわけですね。
復讐精霊や同盟精霊も同等の社会がキャラクターに与える罰や恩賞として運用されると思われます。
逆に、《破門》されていても、おそらく神性介入は行えると思うので、このあと調査予定です。
以下、RQGとRQ3のルールから引用。
Red Book of Magic p.15
Ban
1 or 3 Points
Ritual, Nonstackable
This hour-long ritual can only be cast by a Chief Priest or High Priest of a cult. A version of this spell is known by most cults. It forbids its target from being able to participate in worship at any temple that is subject to the authority of the caster. For the purposes of those specific temples, the target is no longer even a lay member of the cult and cannot rejoin those temples for the duration of the spell. The target cannot regain Rune points or sacrifice for new spells at the caster’s temples.
Many cults require formal proceedings and/or approval by the members of the temple before this spell can be cast.
Depending on the cult, this may also result in outlawry from a clan or tribe. The caster (or their successor in the office) can lift the effects of this spell at any time.
The 1-point version of Ban has a duration of three years.
The 3-point version of Ban lasts until the target is dead.(日本語訳)
この儀式は1時間かかり、カルトの首席司祭または高司祭のみが行使可能である。ほとんどのカルトはこの呪文のバージョンを保持している。
この呪文は対象者に対し、呪文を行使した司祭の権限下にあるいかなる神殿においても礼拝へ参加することを禁じる。該当する神殿において、対象者はもはや在俗信者ですらなくなり、呪文の効果が続く限り、それらの神殿に再加入することもできない。
また、対象者は呪文をかけた神殿において、ルーン・ポイントを回復することも、新たな呪文を獲得するために生贄を捧げることもできない。
多くのカルトでは、この呪文を行使する前に正式な手続きや神殿の構成員による承認を必要とする。
カルトによっては、この呪文の行使によって氏族や部族からの追放という結果を招くこともある。
この呪文の効果は、施術者(またはその後継者)によっていつでも解除することが可能である。
1ポイント版の《破門》の持続時間は3年間。
3ポイント版は、対象が死ぬまで持続する。
ルーンクエスト日本語版 上級ルール p.36
破門
1ポイント
儀式(浄化)、複合、再使用可
一般入信者が神とのあいだに確立した神秘的なリンクを切断する呪文。この呪文の目標となった者は、ただちに、しかも永久に、信仰から得たすべての神性呪文を失う。この呪文は司祭のみが扱え、投射完了までに1時間を要する。
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※ 本文の記載については引用条件を満たしているつもりですが、著作権者の方が問題があると判断されましたらお知らせください。
※ この内容は、その後ルールブックの別記述やフォーラムでのケイオシアムからの回答などにより変化していく場合があります。
※ 記事に間違いなどありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
RQGでPOWによる「運試し」は意図的に削除されている
RQGのルールを確認していく記事その1
RQGでは、POWに対する基本能力値ロールの記載が見当たりません。
私はPOWの高低で世界に対する影響力が異なるというのがグローランサらしくて好きでしたが、POWが極端に低下した場合に倍率が酷いことになることや、英雄的にPOWが極端に高いキャラクターが常に1倍以下を出すという状況にGMが苦労することもあるのを知っているので、おそらく意図的に削除されたものと判断して、「運試し」にPOWを使うのはやめました。
以下、RQGとRQ3のルールから引用。
RQG日本語版 p.141
基本能力値ロールを行うのが適切となるのは以下のような場合です。
■ 筋力チェック(STR×5):ドアを叩き破る、ボートの上や小屋の屋上に体を引き上げる、分厚い泥の中を移動するなどのように、激しく筋力を使うときに使用します。
■ 体力チェック(CON×5):疲労などに耐える、激しい、あるいは長時間の運動(長距離走など)をするときなどに使用します。
■ 知性チェック(INT×5):記憶や論理力をテストするために使用します。知性チェックはプレイヤーの知性を使った行動の代わりにはなりませんが、誰かの顔や名前を思い出すなど冒険者が頭脳を使ってできることに使います。
■ 敏捷力チェック(DEX×5):動きの協調、身体能力、手先の器用さ、スピード、バランス感覚を必要とする行動(投げられたものを受け止める、屋根の上を歩くなど)を解決するために使用します。
■ 魅力チェック(CHA×5):交渉技能(〈言いくるめ〉、〈威嚇〉、〈策謀〉、〈商談〉、〈魅了〉、〈雄弁〉など)が適用されない言語的または非言語的な社交的競い合いを解決するために使用します。
RQ3日本語版 基本ルールブック p.33
基本能力値ロール
技能のかわりに冒険者の基本能力値が焦点となる場合も、通常の技能ロールのシステムを用います。
よく使われる基本能力値ロールはDEX、INT、POW、(よく運試しに使います)、APPによるものです。通常、これらのロールはD100で基本能力値×5を成功率とします。ゲームマスターは状況次第で異なる倍数を用いることもできます。
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※ 本文の記載については引用条件を満たしているつもりですが、著作権者の方が問題があると判断されましたらお知らせください。
※ この内容は、その後ルールブックの別記述やフォーラムでのケイオシアムからの回答などにより変化していく場合があります。
※ 記事に間違いなどありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
TRPGにおけるメタウイッシュと1%の嘘
TRPGは嘘の遊びだ。
「もし願い事がすべて叶うとしたらどうする?」
俺の世界の根本には、いつからか、常にこの命題が横たわっている。
なぜなら、GMにはキャラクターの望みをすべて叶える権限があるから。
「戦闘で死んだ仲間の蘇生を!」
「はいはい蘇生魔法ね」
「このルールでは蘇生魔法のない世界観だけど、1回だけのキセキを!」
「はいはいいいですよー」
「ウイッシュリング?!どんな願いでも叶うの?」
「ルール上制限があるけどね、えーと」
なんだそれ。
なんで魔法にルールがあるんだよ。
ルールで定義できるならそれは科学だろ。
いいじゃんね。
キャラクターが永遠の命を願ったら永遠の命を獲得すればいいし、世界全てを願えば与えればいい。
別にファンタジーものじゃなくたって、うちよそだって、物語構造を持つものであれば常に同じだ。
判定なんてしなくていい。
「次の願いは?」
「次の願いは?」
「次の願いは?」
だいたいこれを100回も繰り返せば、キャラクターは沈黙する。
本当にすべてが叶うから。
「世界と一つになって、すべて自分の思うとおりに」
「なったよ。今後世界は君の考えたままに、考える前に、すべてそうなっている」
頭の回るキャラクターならこうだ。
「先の見える人生などごめんだ。
俺の人生は俺が決める。
おれが死ぬときに、ああ、幸せな人生だったと思えるようにしてくれ。」
キャラクターはウイッシュの使用を忘れ、幸せに人生を終える。おめでとう。
単にウイッシュの力を捨ててもいい。
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ところがプレイヤーは面白くない。
キャラクター作成をした第一話でキャラクターは幸せな人生を終える。
一度ウイッシュを捨てたあとに襲う困難は、
そこに本当の苦悩があるのであれば、ウイッシュを捨てたことが頭をよぎる。
もちろん、それを自分の選択として誇ることもできる。
けれど、多くの人はそうではない。
煎じ詰めれば、TRPGは、冒険の、挑戦の、つまり障害に対する選択の遊びだから。
プレイヤーの深層的なウイッシュは
「キャラクターに障害が降りかかること。
解決不能と思われる障害を
すぐれたプレイヤー能力 / 世界からの寵愛
で克服すること」
だからだ。
ここで言う「世界からの寵愛」とはGMのことではない。
本当の寵愛とは、プレイヤー自身が世界に選ばれたものであること、幸運に恵まれること。
つまり「ダイス目に恵まれること」だ。
自分が幸運だと感じることは、人間にとってとても幸せだ。
幸運とは世界そのものからの絶対の承認。
ガチャの中毒性はここにある。
ノーコストで解決可能な障害は障害ではない。
障害を克服したときの快感は、プレイヤーが感じている障害の大きさに比例する。
単純に帰結させるなら、障害を大きく見せて、
まるで解決不能な課題をプレイヤーが解決したように見せればよい。
GMにはそれが可能だ。
例えルール通りに処理しても。
プレイヤーがGMより愚かなら。
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プレイヤーがGMより愚かでなければ?
挑戦のリスクを計算し、より効率的な選択肢を取り、80%の勝利を引き寄せる。
やったね。計算通り。
楽しい。時間効率も良い。大人の対応だ。
でも、10%の障害を乗り越えた快感にはかなわない。
5%の障害を乗り越えた達成感には及ばない。
1%の、
0.01%の、
数億分の1の奇跡を引き寄せたときの自己肯定感、
記憶の鮮烈さには達しない。
100個ならんだ80%の勝利と、
1つだけ輝く0.8%の勝利。
あなたはどちらを望むだろう。
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嘘はプレイヤーに見透かされる。
予定調和は見抜かれる。
それでもなお、奇跡への到達を望むなら?
成功率50%:失敗率50%の出来事が、10回成功したときだけ辿り着ける局面。
到達率は0.0098%。
選択肢の中で、わずかな解釈の変更で、1%だけ。
成功率を51%に動かせるとするならば。
言葉の表現、描写の調整、時系列の順序で、
成功率51%のできごとを、
成功率50%と感じさせることが出来たなら。

そんな遊びをしたりしていなかったり。
「トリックスターのカルト」とグローランサ
グローランサにはいろいろな謎があるけれど、個人的なこだわりとしてトリックスターのカルトがいつも心に引っかかっている。
自分のワールドビルディングが、世界は「物理法則」ではなく「ルーン法則」で動いているという前提に基づいているからだ。
ルーン法則とは何ぞやについては語ると長いので割愛。わかって。
Wikipediaが正しいとは限らないけどとりあえず引用。
トリックスター(英: trickster)とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を展開する者である。往々にしていたずら好きとして描かれる[要出典]。善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴である[要出典]。
トリックスターのカルトの目的は何か。
「神や自然界の秩序を破ること」?
トリックスターのカルトに入信する目的は何か。
「神や自然界の秩序を破るために入信する」?
そんな人いる?
荒魂的な信仰だとして「神や自然界の秩序を破るものを鎮めるために信仰する」?
おかしいよね。
オーランスがトリックスター的な側面を持つとか、詐欺師が人を口車に乗せるとか、「〇〇はトリックスターだ」という表現は成り立っても、「トリックスターのカルト」なんてない。
もうひとつ。
トリックスターが「神の秩序を破ること」が本質なのであれば、
トリックスターは自分自信を転ばせなければならない。
カルトは破壊すべきだし、
信徒は騙すべきだし、
信仰は幻影であるべきだし、
信仰は幻影だという信念は覆されるべきだ。
そんな組織、維持されるわけがない。
自分自身は対象外とか、幻影のルーンの風上にも置けない。
トリックスターのカルトは、他の目的が主であれば成り立つ。
詐欺師のカルトの目的は「金を儲けること」で、手段として「人を騙す」であって、「人を騙す」のが目的では成立しない。
手品師や演劇人であれば「人を楽しませるために幻想を見せる」ことが主目的で、「幻想を見せる」のが主目的ではない。
カルトは、カルティストは、「トリックスター的挙動を示すことが多い」に留まらないといけない。
もしくは……
続きを読む
グレッグコン用前口上(グローランサ・サーター王国・ルナー帝国・ハラボーン氏族)
2023/10/07のグレッグ追悼CONで「シックス・シーズンズ・イン・サーター」のマスターをやるけれど、主催者には「初心者参加可」卓で申請しているので、グローランサとルーンクエストについて何も知らない人、というのを前提に前口上を書いてみる。
たぶんそういう人来ない気もするし、特にノートPC持参というハードルのある俺の卓に来なさそうなんだけど、謳っているからには準備はしないとね。
グローランサについて
グローランサはグレッグ・スタフォードが創造した、無数の神々と魔法が実在する、ファンタジー世界です。
誰でも日常的に魔法にアクセスでき、特に、神を通じて強力な魔術を行使することがでます。
とはいっても、D&Dのように一人の魔法使いが大多数や広範囲に魔術を振るえることはなく、ゲーム中に出てくる魔術は対象を自分ひとり・相手ひとりに限定している呪文がほとんどです。
逆に、社会運営の根幹に魔術が組み込まれているのが特徴で、穀物の収穫量を上げる、街や集落を安全に保つ、病を癒す、コミュニケーションをスムーズにする、など、衣食住の確保と社会を円滑に運営するために、社会的な集団によって魔術が行使されます。
例えば大地母神の信徒は産婆としての役割を担い、農夫は穀物神を、猟師は狩人の神を、戦士は戦争の神を信仰し、神から与えられる魔術で自分たちの役割を良く果たせるように暮らしています。
魔法と信仰のために地域によって文明がちぐはぐで、文明レベルを現代と比較するのは難しいですが、おおむね火薬・印刷のない時代、鉄器が魔術的な物品として扱われる時代を想定して貰えればと思います。
また、多数が集まって儀式を行うことで強力な魔術を行使するという性質から、どの社会集団に属するかということが重視されます。
特に最新の版(RQG)では、キャラクターが世界の好きな場所で好きな人生を生きるのではなく、自分の属する集団をどう導くか、という社会的な役割を問われるデザインになっています。
(個人的には「そこ前面に出すと、TRPGを始める年齢層に好まれないんじゃないの?」と心配です)
サーター王国について
今回舞台となる「サーター王国」は山がちな土地で、住んでいるのは「嵐の神オーランス」を主神とする人々です。
現代日本から見れば荒々しい部族社会で生きる彼らは、数百人程度の「氏族」を1単位として暮らし、氏族が集まった「部族」内で他の氏族からつがいを選んで結婚し、どちらかの氏族の一員となります。
詳細な社会設定もありますが、コンベンションで解説しているとそれだけで時間が終わってしまうので、今回はゲーム内で小出しに解説しますので、雰囲気だけ感じていただければと思います。
サーター王国は17年前に北の「ルナー帝国」から侵略を受け、現在はその占領下にあります。
ルナー帝国は官僚化された政治組織を持つ大帝国で、空に浮かぶ赤い月の神「赤の女神」を主神として信仰しています。
そして、サーターの人々は、「赤の女神」をこの世界グローランサを滅ぼす「混沌」の化身として忌み嫌っています。
まずはこの程度の概略で、氏族の説明とキャラクター選択に進もうと思います。
ハラボーン氏族について
ハラボーン氏族はサーター王国のコリマ―部族に属する450人程度の小規模な氏族です(同人モジュール設定なので公式ではありません)。
山と山の間の全長7kmていどの細長い渓谷で暮らす彼らは、古い時代に神聖な「黒い雄鹿」と契りを結び、氏族のトーテムとしました。
南の開口部でも幅は500m程度で、北は滝で終わっています。
12のステッド
川沿いには、氏族が所有する12のステッドが点在しています。これらは、オーランス社会の中流階級である牛飼いの家です。
家には父方の祖父母、叔父、叔母、従兄弟などがいて、ロングハウスで3~5人が一緒に暮らしています。
妻や子供、祖父母を含めると、1ステッドあたり15〜20人、30〜40頭の牛を飼っていて、羊、豚、ガチョウがその2倍ほどいます。
子どもは自分の親が誰なのかは知っていますが、叔母や叔父も「母」「父」と呼び、全員が親としての義務を負っています。
成人男性は氏族から、耕すことのできるだけの畑が与えられています。
また、成人男性は全員、氏族の民兵組織であるフュルドに所属します。各ステッドの長はセイン、つまり「馬の人」の地位を持ち、共同体の指導者とみなされます。
ステッドとステッドの間には、それぞれ20軒ほどの下層民の竪穴式住居が点在しています。
コッターたちの多くは猟師で、ウサギやイノシシ、キジなどを食用にします(ハラボーンでは鹿を狩ることは禁じられています)。
村
谷の中心部に「村」があり、市場、鍛冶場、集会所など、14件の建物が集まっています。
住人は氏族の重要人物で、セイン(近侍)の身分を持ちます。内陣7人のうち、族長以外の6人がここに暮らしています。
- 族長:二度祝福されたステッドの“ケンストレルの息子” ゴーダンガー、“神々の王” オーランスのルーン王。
- ウェポンセインの長:“剣の歌の” ジョルグナス、元赤い岩のステッド出身、フマクトの剣。
- 大司祭:二度祝福されたステッドの“ケンストレルの息子” サヴァン、“雷鳴轟かす” オーランスの嵐の声。
- 大女祭:高き水のステッドの“ジャーララントの娘” モルガネス、アーナールダの女祭。
- 法の語り部:リドル護りのステッドの“白鹿の” ジョディ、ランカー・マイの賢者。
- 代表戦士:落ち熊のステッドの“銅の斧の” エリニナ、バービスター・ゴアの女ルーン王。
- スカールド(詩人):“青き瞳の” ケラドン、繋がれたユールマルのトリックスター。
他に2軒、重要人物がいます。
- 谷と首都ボールドホームとの通商を円滑に行うリドル護りのステッドの“グディンの息子” ボルカー
- 青銅鍛冶の名人である崖の盾のステッドの“ホルヴィックの息子” ハーヴァール
残りの6はその他の司祭や家来の家です。
高台に木製の柵と簡単な見張り台で守られた族長の館があり、村を見下ろしています。
ロイヤル
ロイヤルは黒き雄鹿の息子で、乳白色のたてがみと12本の枝の漂白した骨のような色の角を持つを巨大な雄鹿です。
彼は谷のすべての動物のリーダーでハラボーン氏族の祈祷師であり、8番目の内陣です。
人前にはめったに姿を見せませんが、聖地である「ロイヤルの杜」で会える可能性があります。
ロイヤルの杜は600mほどの高台、巨大な樫の木が広がる森の中にある完全な円形の空き地です。
雄鹿の丘
高さ20メートル、直径70メートルの土でできた塚で、7つの立石が輪をつくっています。
古墳にはヒョルトの息子ジャースタコスの古代の墳墓と、ハラボーンを創設した当初の戦友たちの墓があります。
男たちのオーランスへの入信や礼拝はここで行われます。
リドル
山に彫り込まれた完全な正方形の入り口は、記録が残らないほど古いものです。
内部は迷宮で、松明は中で燃えず、音は消されます。
ハラボーンの女たちは初潮の直後にここで入信儀式をします。
リドルには男性が入ることはできません。
あなたたち
あなたたちは成人の儀式を終えたばかりのハラボーンの男女です。
これから、氏族の役に立つために成人としての義務を果たしていかなければなりません。
キャラクターは8人から選べますが、モジュールで設定されている氏族の生活描写のため、男性1名、女性1名がいることを推奨します。
8人のキャラクターを簡単に紹介します。
とりまここまで。
プレロールドキャラクターの紹介、明日書けるかなぁ…