グレッグコン用前口上(グローランサ・サーター王国・ルナー帝国・ハラボーン氏族)

2023/10/07のグレッグ追悼CONで「シックス・シーズンズ・イン・サーター」のマスターをやるけれど、主催者には「初心者参加可」卓で申請しているので、グローランサルーンクエストについて何も知らない人、というのを前提に前口上を書いてみる。

たぶんそういう人来ない気もするし、特にノートPC持参というハードルのある俺の卓に来なさそうなんだけど、謳っているからには準備はしないとね。

 

グローランサについて

グローランサはグレッグ・スタフォードが創造した、無数の神々と魔法が実在する、ファンタジー世界です。

誰でも日常的に魔法にアクセスでき、特に、神を通じて強力な魔術を行使することがでます。

とはいっても、D&Dのように一人の魔法使いが大多数や広範囲に魔術を振るえることはなく、ゲーム中に出てくる魔術は対象を自分ひとり・相手ひとりに限定している呪文がほとんどです。


逆に、社会運営の根幹に魔術が組み込まれているのが特徴で、穀物の収穫量を上げる、街や集落を安全に保つ、病を癒す、コミュニケーションをスムーズにする、など、衣食住の確保と社会を円滑に運営するために、社会的な集団によって魔術が行使されます。

例えば大地母神の信徒は産婆としての役割を担い、農夫は穀物神を、猟師は狩人の神を、戦士は戦争の神を信仰し、神から与えられる魔術で自分たちの役割を良く果たせるように暮らしています。

魔法と信仰のために地域によって文明がちぐはぐで、文明レベルを現代と比較するのは難しいですが、おおむね火薬・印刷のない時代、鉄器が魔術的な物品として扱われる時代を想定して貰えればと思います。

 

また、多数が集まって儀式を行うことで強力な魔術を行使するという性質から、どの社会集団に属するかということが重視されます。

特に最新の版(RQG)では、キャラクターが世界の好きな場所で好きな人生を生きるのではなく、自分の属する集団をどう導くか、という社会的な役割を問われるデザインになっています。

(個人的には「そこ前面に出すと、TRPGを始める年齢層に好まれないんじゃないの?」と心配です)

サーター王国について

今回舞台となる「サーター王国」は山がちな土地で、住んでいるのは「嵐の神オーランス」を主神とする人々です。

現代日本から見れば荒々しい部族社会で生きる彼らは、数百人程度の「氏族」を1単位として暮らし、氏族が集まった「部族」内で他の氏族からつがいを選んで結婚し、どちらかの氏族の一員となります。

詳細な社会設定もありますが、コンベンションで解説しているとそれだけで時間が終わってしまうので、今回はゲーム内で小出しに解説しますので、雰囲気だけ感じていただければと思います。

 

サーター王国は17年前に北の「ルナー帝国」から侵略を受け、現在はその占領下にあります。

ルナー帝国は官僚化された政治組織を持つ大帝国で、空に浮かぶ赤い月の神「赤の女神」を主神として信仰しています。

そして、サーターの人々は、「赤の女神」をこの世界グローランサを滅ぼす「混沌」の化身として忌み嫌っています。

まずはこの程度の概略で、氏族の説明とキャラクター選択に進もうと思います。

ハラボーン氏族について

ハラボーン氏族はサーター王国のコリマ―部族に属する450人程度の小規模な氏族です(同人モジュール設定なので公式ではありません)。

山と山の間の全長7kmていどの細長い渓谷で暮らす彼らは、古い時代に神聖な「黒い雄鹿」と契りを結び、氏族のトーテムとしました。

南の開口部でも幅は500m程度で、北は滝で終わっています。

12のステッド

川沿いには、氏族が所有する12のステッドが点在しています。これらは、オーランス社会の中流階級である牛飼いの家です。

家には父方の祖父母、叔父、叔母、従兄弟などがいて、ロングハウスで3~5人が一緒に暮らしています。

妻や子供、祖父母を含めると、1ステッドあたり15〜20人、30〜40頭の牛を飼っていて、羊、豚、ガチョウがその2倍ほどいます。

子どもは自分の親が誰なのかは知っていますが、叔母や叔父も「母」「父」と呼び、全員が親としての義務を負っています。

 

成人男性は氏族から、耕すことのできるだけの畑が与えられています。

また、成人男性は全員、氏族の民兵組織であるフュルドに所属します。各ステッドの長はセイン、つまり「馬の人」の地位を持ち、共同体の指導者とみなされます。

 

ステッドとステッドの間には、それぞれ20軒ほどの下層民の竪穴式住居が点在しています。

コッターたちの多くは猟師で、ウサギやイノシシ、キジなどを食用にします(ハラボーンでは鹿を狩ることは禁じられています)。

谷の中心部に「村」があり、市場、鍛冶場、集会所など、14件の建物が集まっています。

住人は氏族の重要人物で、セイン(近侍)の身分を持ちます。内陣7人のうち、族長以外の6人がここに暮らしています。

  1. 族長:二度祝福されたステッドの“ケンストレルの息子” ゴーダンガー、“神々の王” オーランスのルーン王。
  2. ウェポンセインの長:“剣の歌の” ジョルグナス、元赤い岩のステッド出身、フマクトの剣。
  3. 大司祭:二度祝福されたステッドの“ケンストレルの息子” サヴァン、“雷鳴轟かす” オーランスの嵐の声。
  4. 大女祭:高き水のステッドの“ジャーララントの娘” モルガネス、アーナールダの女祭。
  5. 法の語り部:リドル護りのステッドの“白鹿の” ジョディ、ランカー・マイの賢者。
  6. 代表戦士:落ち熊のステッドの“銅の斧の” エリニナ、バービスター・ゴアの女ルーン王。
  7. スカールド(詩人):“青き瞳の” ケラドン、繋がれたユールマルのトリックスター

他に2軒、重要人物がいます。

  1. 谷と首都ボールドホームとの通商を円滑に行うリドル護りのステッドの“グディンの息子” ボルカー
  2. 青銅鍛冶の名人である崖の盾のステッドの“ホルヴィックの息子” ハーヴァール

残りの6はその他の司祭や家来の家です。

高台に木製の柵と簡単な見張り台で守られた族長の館があり、村を見下ろしています。

ロイヤル

ロイヤルは黒き雄鹿の息子で、乳白色のたてがみと12本の枝の漂白した骨のような色の角を持つを巨大な雄鹿です。

彼は谷のすべての動物のリーダーでハラボーン氏族の祈祷師であり、8番目の内陣です。

人前にはめったに姿を見せませんが、聖地である「ロイヤルの杜」で会える可能性があります。

ロイヤルの杜は600mほどの高台、巨大な樫の木が広がる森の中にある完全な円形の空き地です。

雄鹿の丘

高さ20メートル、直径70メートルの土でできた塚で、7つの立石が輪をつくっています。

古墳にはヒョルトの息子ジャースタコスの古代の墳墓と、ハラボーンを創設した当初の戦友たちの墓があります。

男たちのオーランスへの入信や礼拝はここで行われます。

リドル

山に彫り込まれた完全な正方形の入り口は、記録が残らないほど古いものです。

内部は迷宮で、松明は中で燃えず、音は消されます。

ハラボーンの女たちは初潮の直後にここで入信儀式をします。

リドルには男性が入ることはできません。

あなたたち

あなたたちは成人の儀式を終えたばかりのハラボーンの男女です。

これから、氏族の役に立つために成人としての義務を果たしていかなければなりません。

キャラクターは8人から選べますが、モジュールで設定されている氏族の生活描写のため、男性1名、女性1名がいることを推奨します。

8人のキャラクターを簡単に紹介します。

 

とりまここまで。

プレロールドキャラクターの紹介、明日書けるかなぁ…