武器-1.効果的成功/決定的成功による武器効果

このハウスルールが成立するには3段階の変遷がありました。
最初は凶悪な貫通の調整。


ルーンクエストは突刺武器の効果的命中が強いですよね。武器ダメージ2倍+貫通。
ロングスピアのクリティカルなんて、アーマー無効で22ダメージ。
中心線に当たればドラゴンが一撃で死ぬっつーの。
もし死ななかったとしても、手を離して放置すれば相手の行動毎にダメージ出るし、抜くまで治療することもできない。


敵の在り方というのはPCの鏡写しなので、PCの攻撃力が防御力に対して突出しすぎると、相手の打撃をPCが受け止められないという問題が出てきます。
これがピーキーすぎてマスターとしては辛かったので、バランス取りのために
「突刺武器の効果的命中で増加する武器ダメージはAPに対する貫通力として使い、HPへのダメージにはしない」
というハウスルールを導入しました。


例えば6APの部位に対してショートスピアが効果的命中をしたとします。
APに対する貫通力としたときの武器ダメージは最大でAPを0にして打ち切りになるので

従来の処理 2D8+2-6AP = (8+3)+2-6 = 7ダメージ
貫通力とした場合の処理 1D8+1-[6AP-1D8+1] = 3+1-[6-(8+1)で-3だけど0で打ち切り] = 4ダメージ

となります。
クリティカルのときは

従来の処理 2D8+2の最大。APは無効 = 18ダメージ
貫通力とした場合の処理 1D8+1の最大。APは無効 = 9ダメージ

です。
これでも肉体にダメージが出れば貫通が発生するので、突刺武器の優位性は十分守られます。ただ突刺武器だけ弱めると既存PCのバランスがどうかな、と思ったので、切裂・破砕武器のSIZを無視したノックバックを同時に廃止にしました。


1年後ぐらいにAdventures in Gloranthaが出てきました。
上記サマリでは詳しくかかれてないけど、何かでstorm markさんにもう少し詳しいサマリをいただいた。
武器ごとの特性の違いを見てなるほど、とは思ったんですが、鎧の種別で破砕武器の効果を変えるのはちょっと煩雑になりそうだったので、貫通武器を弱めたのはそのまま、破砕武器のAP1/2と切裂武器のダメージ最大だけ採用しました。


最後に《深傷》によるダメージのインフレを止めるために、武器に「最大硬度」という概念を導入しました。AP+8以上のダメージを出すと武器が壊れる、というルールです。これの詳細と効能はまた後日。これにあわせて、武器の効果的受け・決定的受けを定義しなおしました。


結果として現在は下記のようなルールになっています。

効果的成功 オリジナル ハウスルール
切裂 SIZを無視してノックバック 武器ダメージ最大
破砕 SIZを無視してノックバック 防具のAP1/2
突刺 武器ダメージ2倍。肉体にダメージが出れば貫通 武器ダメージ1回分AP無効。肉体にダメージが出れば貫通
受け AP減少なし AP+8までAP減少なし
決定的成功 オリジナル ハウスルール
切裂 防具のAP無効。武器ダメージ最大 防具のAP無効。武器ダメージ最大
破砕 防具のAP無効。武器ダメージ最大 防具のAP無効。武器ダメージ最大
突刺 防具のAP無効。武器ダメージ2倍にして最大。貫通 防具のAP無効。武器ダメージ最大。貫通
受け ダメージを完全に止める。AP減少なし AP+8までダメージを止める。AP+8までAP減少なし

マスターとしてはバランスがとりやすく、シチュエーションの変化もつけやすいので気に入ってます。


参考までに、ルーンクエスト日本語版から関連するルールを引用。
ほんとはstorm markさんのまとめてくれたやつも引用したかったけど、資料漁っても出てこない。
誰かテキスト持ってたらプリーズ!・・・って、alley-catsさんがホンモノを持っていたような気もするw

基本ルール p50

受けた武器へのダメージ

 受けが成功したならば、受けに用いた武器の硬度ポイントの分だけダメージポイントがブロックされます。ブロックしきれなかったダメージポイントは、武器を突き抜けて冒険者の体に到達し、通常のダメージを及ぼします。このようにダメージポイントが硬度ポイントを上回った場合、受けた武器は1硬度ポイントを失います。これは、強烈な打撃を受けた結果を再現したものです。ただし、受けが効果的成功であったならば、武器はダメージを受けません。決定的成功のときは、たとえ攻撃側が同じく決定的成功であっても、ダメージは受けを行なった冒険者の体まで到達しません。

基本ルール p52

ノックバックの特殊例

 ブロードソードやメイスといった破砕・切裂武器による打撃が効果的成功となった場合、ノックバックの距離は標的のSIZに対するダメージの超過分ではなく、全ダメージポイントをもとに算出します。ダメージ5ポイント(端数切り上げ)につき1mだけノックバックされるのは同じです。標的のキャラクターは DEX×5ロールに失敗すれば倒れてしまいます。

基本ルール p54

決定的ヒット

 冒険者が攻撃ロールを行ない決定的成功を出した場合が「決定的ヒット」です。これはアーマーなど標的を守る防御物を打撃が素通りし、その武器の最大のダメージポイントを標的に与えたことを意味します(たとえばブロードソードであれば、9ポイントに攻撃者のダメージ修正値を加えたものが相手の負う損傷となります)。標的が持つアーマーはダメージをまったく軽減しませんが、唯一、武器による受けが成功した場合は、それが通常ブロックするダメージ分が差し引かれます。それ以上のダメージはアーマーを素通りして標的の体に達します。

決定的受け

 受けロールが決定的成功だった場合は、あらゆる攻撃を(決定的ヒットであっても)完全にブロックします。受けに使った武器がダメージを負うこともありません。

貫通によるダメージ

 貫通によるダメージは、ロールから求めた通常のダメージの2倍に相当します。したがって、グラディウスの貫通ダメージは本来の1D6+1ではなくて2D6+2になります。攻撃者のダメージ修正値に変更はなく、通常どおりのロールから求められます。魔術関連の修正値も2倍にはなりません。武器のダメージロールだけが2倍になるのです。
 貫通が同時に決定的ヒットであった場合、その武器の最大ダメージを2倍にします(ブロードソードであれば14ポイント)。前掲のシグニーがライオンと闘う場面において、彼女は短剣で決定的ヒットを行ない、武器は貫通するとともにその最大ダメージ(6ポイント)の2倍(12ポイント)プラス彼女のダメージ修正値をライオンに加えたのでした。
 武器が体を貫通した冒険者は、その武器を体から抜き取らないかぎり傷は治癒しません。貫通した状態で動けば、武器の通常のダメージの半分(ロールし、修正値は加えない)がさらに損傷部位に加えられます(貫通した武器が傷口を広げるからです)。