移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-6

移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-1 - 蒼き月の囁き
移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-2 - 蒼き月の囁き
移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-3 - 蒼き月の囁き
移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-4 - 蒼き月の囁き
移動と戦闘のハウスルールを見直してみる-5 - 蒼き月の囁き
の続きです。


そういえば「攻撃してからの移動」を認めるもうひとつの理由を書き忘れてました。
ルーンクエストの戦闘ルールは基本的に「人間サイズ」の「生物」を基準に作られています。ところが、ウチは「化け物」と戦闘になることが多くてw


例えば鋼鉄製の戦車がキャラクターのZOCにいたとして、移動するのに「1戦闘ラウンドを費やして相手を振り切る」必要があるでしょうか。馬なら半ラウンドとなってますが、象なら?とか、人間サイズだけどAP100あって、防御する必要がまったくないときは?とか、明らかに近接戦闘からの離脱に制限のないケースがあります。
そういうろくでもない戦闘wを繰り返すうちに、主に相手を牽制する意思があるかどうかがポイントになるのがわかってきました。そこで、攻撃してからの移動を標準的に認め、その代わりに牽制状態と機会攻撃という概念を導入したわけです。
D&D3.5eで機会攻撃という用語も馴染み安くなりましたしね。

「移動してからの攻撃」で移動を行なうストライク・ランクとZOC

 移動してからの攻撃を行なうときは、キャラクターのDEXストライク・ランクから移動を開始します。移動を終了させた次のストライク・ランクにSIZストライク・ランクと武器ストライク・ランクを加算します。
 移動してからの攻撃を行なうキャラクターは移動中に接触した相手にZOCの効果を及ぼすこともできますが、その場合は接触時点で移動を終了させます。また、相手が牽制状態にない場合は移動したストライク・ランクに攻撃を行なうことができます。これは「一般に移動と攻撃のストライクランクが同時になることはない」の例外です。
またZOCはDEXによる行動の優先順位にかかわらず、ストライク・ランクの最初から効果を発揮します。

ペルシカ・サーガ

 ペルシカは二人の山賊が油断して座り込んだ隙に、最後の気力を奮い起こして跳ね起きると、手を縛られたまま走り出しました。
 手を縛られて転がった状態から予備動作なしで立ち上がるのに、マスターは〈ジャンプ〉の成功を要求し、幸運なことに彼女は成功したのです。


 ぐったりとしていた彼女の突然の行動に、山賊たちは不意打ち判定(POW×3)を行います。山賊Bは判定に成功したので通常通り行動できますが、山賊Aは判定に失敗したため行動が3ストライク・ランク遅れます。
 山賊Bはストライク・ランク1に行動変更し、座った状態から〈組み打ち〉で彼女を捕まえようとします。ペルシカが立ち上がれるのはストライク・ランク4。山賊Bはペルシカの行動開始である1に行動変更3を加え、次のストライク・ランク5から彼女をZOCに捕らえます。
 ストライク・ランク5にペルシカは移動を開始します。このときペルシカのDEXは20、山賊BのDEXは13で、通常の行動解決であればペルシカの移動が先ですが、機会攻撃は常に優先して処理されるために、山賊Bは〈組み打ち〉攻撃をロールする権利を得ます。


 座ったままの山賊Bは「標的が無抵抗 +25」「移動中の標的 −10」「攻撃者がノックダウン −20」の修正を受けて攻撃ロールをしました。幸いなことに山賊Bは攻撃ロールに失敗し、ペルシカは森の闇の中へと裸足で駆け入ります。どこまで逃げられるかわかりませんが、彼女は旅を続けるために、足掻き続けなければなりません。

ZOC内の移動

 ZOC中では、支配ユニットの許可なしに、支配ユニットの横を抜けて移動することはできません。
 支配ユニットを越えて反対側に移動するには3つの方法があります。


 ひとつめは支配ユニットの攻撃を回避でかわしてすり抜ける方法です。支配ユニットの攻撃が失敗であれば回避の成功で、攻撃が成功であれば回避の効果的成功で、攻撃が効果的成功であれば回避の決定的成功で、キャラクターは支配ユニットの反対側に抜けることができます。


 ふたつめは支配ユニットに攻撃を回避させてすり抜ける方法です。支配ユニットの回避が成功なら攻撃の成功で、回避が効果的成功なら攻撃の効果的成功で、回避が決定的成功なら攻撃の決定的成功で、キャラクターは支配ユニットの反対側に抜けることができます。
 失敗した攻撃を相手が回避に失敗していてもすり抜けることはできません。成功した攻撃に対して相手が効果的に回避していれば、あまりの鮮やかさに突破はできません。逆に回避に失敗していても、攻撃が命中したため突破はできません。


 みっつめは支配ユニットに対して何の対策も行なわずただ前進する方法です。支配ユニットはこのキャラクターに対して即時に機会攻撃*1を行なうことができます。重ねて、支配ユニットがキャラクターの進路を塞ぐ場合は、キャラクターは体当たりの判定を行い、相手がノックバックしなければ、その位置で止まってしまいます。

体の入れ替え

 2対1など人数に差がある近接戦闘では、相手より人数の多い分のキャラクターは、ZOCからの離脱による機会攻撃を受けずに後方に離脱することができます。


次回、「移動の制限された状態での戦闘」あたりに続きます。

*1:やっぱり機会攻撃は用語として定義したほうがいいなー。最終版では定義項目を書く予定。