自作アイテム紹介-忍び寄る死の蹄音
忍び寄る死の蹄音
この忌まわしき魔具は、一見すると黒一色に塗り込められた水滴型の兜に見える。
しかしこの兜は顔の前面に蝶番を持ち、頭部を挟み込むように閉じてから、後頭部を留め金で止めるように作られている。首の位置を除いて開口部はない。これを被り、留め金を締め上げたなら、着用者は見ることも、聞くことも、もしや息をすることさえかなわないだろう。
しかしこれは兜であって兜ではない。
『忍び寄る死の蹄音』は、着用者を死の担い手と為す秘宝である。
同調
この兜の所有者となるには馬上で使用できる武器攻撃と乗馬に技能成功率が90%以上なくてはならない。
また、豊穣のルーンを持つ神の信徒であってはならない。
兜を手に入れたものは、兜を身に着け呪符と召喚の複合儀式を行う(低いほうの成功率を用いる)。POW1ポイントを消費した上で、さらにPOW20に対する抵抗ロールに成功すれば、兜の所有者となることができる(抵抗ロールにはPOWを減らす前の値を用いてよい)。
兜の所有者の額にはうっすらと黒い十字が浮かび上がる。
注:特に人間外の使用については定めず、SIZも8〜18で可変としてよいが、処理の煩雑さを避けるため、人間外には効果がないとしてもよいだろう。
すでに所有者がいる場合、その所有者が死なない限り、所有者を変更することはできない。
装着
兜を装着すると、着用者の首は1ラウンドをかけて闇となって霧散し、さらに1ラウンドの後、重々しい蹄音とともに、黒き首のない馬が異界から呼び出される。
着用者は通常の視覚と聴覚を失い、話すこともできない。ただし、生命体はうっすらとした光として知覚でき、そのおおよその区別もできる。
着用者の頭部に命中した攻撃は、クリティカル時以外は胸部への命中として扱う。
頭部へのクリティカルヒットが発生した場合、兜は一時的に機能を停止し、自然に脱げ落ちる。
着用者は消沈および恐怖に類する効果を受け付けない。惑い、狂気は適用される。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚に対する刺激も受け付けない。
トータルHPが2以下になることによる気絶効果を受けず、眠り、毒、麻痺などを受けても、体が動かなくなることはあっても、意識は失わない。
騎乗
首なし馬は下記の能力を持ち、けして怯まぬ軍馬として扱う。
STR 40 SIZ 40 INT 10 DEX 10
耐久力:40 移動力:10
蹴り 6 50 1D6+4D6
リア&プランジ 6 25 2D6+4D6
踏みつけ 6 75 3D6+4D6
首なし馬は生物ではなく、部位はない。物理的な攻撃に対しては4のAPがあるものとして処理する。
もし馬の耐久力が0になったなら、馬は闇となって霧散し、使用者はSTR/CON/DEX/APPいずれかの現在値を1ポイント失う。
馬が霧散しても兜の着用が自動的に解除されることはないが、その夜の間に馬を再度召喚するには、MPを使用して召喚儀式に成功する必要がある。このとき使用したMPが召喚した馬の耐久力となる。
馬の耐久力の減少は通常の手段で回復させることはできないが、翌日以降に召喚したときは完全に回復している。
魔術
死の蹄音
首なし馬の蹄音を聞いた生物は、POW10に対する抵抗ロールを行い、失敗すれば精霊魔術の《消沈》と同様の効果として扱う。
この効果は夜が明けるか、召喚が解除されるか、使い手か馬に打撃を与えるまで持続する。
死の宣告
着用者は馬にまたがり、ひとりの相手を指さすことで、その相手に《死の宣告》を行える。《死の宣告》が効果を発揮するには、犠牲者が着用者の挙動を認識していなければならない。《死の宣告》はDEXSRM+3SRを使用する魔術として扱う。
着用者は、兜を装着している間、犠牲者がどの方角にいるか感知することができる。また、1週間に一度、首なし馬に乗り、犠牲者から1D100m以内に転移することができる。
《死の宣告》を行った相手が1年以内に死ななかったならば(蘇生の不可能な完全な死亡)、着用者の首は兜を装着していなくとも異界へと消え去り、着用者は死亡する。
除装
装着してから一体も知的生物を殺していない段階で兜を外すには、POW20に対する抵抗ロールが必要となる。成功しなければ兜を外すことはできない。
また、この抵抗ロールにファンブルをした場合、着用者は一時的な狂乱状態に陥り、近くの知的生物を無作為に殺し始める。POW抵抗ロールは一体殺すごとに行えるが、成功するまで殺戮はつづく。
一体でも知的生物を殺した後であればこのロールは発生しない。
兜が魔術的な効果を発揮するのは陽の光の差さない時、場所に限られる。
着用者が兜を外すことなく陽の光を浴びた場合(《陽光》《太陽槍》も同様)、兜は自動的に脱げ落ち、着用者はAPPの現在値を1ポイント失う。