物語の階層操作によるマスタリング技法
このブログは飲み会での自分語りです。自覚した上で書いてますので、生暖かい目で見てくださいねー。
俺は子供のころから物語を読むのが好きで、かなり多読でした。
いまは漫画の方が増えちゃって、本は週に1冊に減り、漫画は10誌ぐらいを読みます。
だけど作品について人と話をするのは苦手です。
作者名も登場人物も地名も物語の詳細も忘れるからw
「なんでみんなあんなに覚えていられるんだろう」
と不思議だったけど、マスターをやり始めて5年ぐらい経ってその理由に気がつきました。
物語を下記の5段階に階層化します。学術的なことは知りません。俺ルールです。
- 表現 語り口、詳細形容
- 事象 誰が いつ 何を どこで どうした
- 類型 事象の「誰」「何時」「何」「どこ」から固有の情報を取り去り要素に置き換えたもの
- 元型 類型の人間集団に対する「働き」そのもの
- 要素 元型だとも言えるが「父」「永遠」「飢え」など行為からさえ切り離すことのできるモチーフ
俺は物語を類型・元型・要素でしか読みません。
読んでいるときは表現や事象もなぞっていますが、最終的に記憶しないorできない。
・・・どうも俺の物語の読み方はかなり少数派らしい。
マスターを長くやっているうちに、自分がこれを長所として生かしていることがわかってきました。
1.パクリ、パロディに悩まされることが少ない。
ソースを覚えてないからw
2.詳細を覚えないことと引き換えに、多数の類型・元型・要素を溜めこみ、同時に認識・展開できる。
実際のセッションでA、B、C、D、Eのように要素が出現したとして、これをA、Cと強調すればXという類型、B、C、Eと強調すればYという類型というように、単一の事象を語りながら要素の強調や隠蔽を行い、受け手によって異なる物語を輻輳的に表現することができます。
ただ、自分がどんなテクニックを使っているかは自覚していますが、個別には理解していません。無意識に調整しています。
3.階層化された構造の一部を別のものに差し替えることで、物語を予想外に展開させることができる。
表現A-事象A-類型A-元型A → 類型だけBに差し替える → 表現A-事象A-類型B-元型A
表現C-事象C-類型C-元型C → 表現だけDに差し替える → 表現D-事象A-類型A-元型A
これはキャンペーンのレベル、セッションのレベル、キャラクター造詣、などで意図的に行います。
もちろん要素も入れ替え可能で、特に類型の要素を部分的に差し替えることで「類型Aに見える類型B」のような偽装が可能です。
・・・わかりにくいねw
時間があれば具体例を書くけど、なんとも言葉に表現しにくい部分なので。
ただこれってグローランサのアレに似ていますよね。
関連メモ
一応ネタ書く前にはググって見る。
今回「物語の階層」でググったら下記がヒットした。
http://www.geocities.jp/la_gare_terminus/mcolumn19.html
階層構造そのものについてはここで書かれていることとほぼ同じ。
wikipwdiaには「物語の類型」として記載されてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%AA%9E%E3%81%AE%E9%A1%9E%E5%9E%8B
あとacceleratorさんの記事もヒットしたけどこっちは用法が違うので今回は無関係w
http://d.hatena.ne.jp/accelerator/20080113/p1
階層というのが物語ツリーの意味で使われることのほうが多いのかな。