「グローランサではヒーロークエストで事実の書き換えができる」と仮定して。
セッションで事実を書き換えるほどのヒーロークエストを達成したとします。
書き換えられたのは「キャラクター達にとって何が起こったか」。
もちろん俺は「ひとつの世界」でマスタリングをしているので、それ以降のセッションでは書き換えられた後の事実を元にしてマスタリングします。
ところが。
マスター/プレイヤー達は「改変された」という形容詞がつくことによって、前の事実を改変される前よりも鮮やかに記憶しています。
そしてその記憶はどんなに押さえつけたとしても、押さえつけたがゆえに、それ以降のプレイに影響を及ぼします。
加えて。
テーブルトークRPGにおいては*1、セッションの時系列とセッションで扱う事象の時系列は一致しません。
セッションAの後に行ったセッションBはセッションAより過去の話だが、セッションAの情報に影響されます。
「ひとつの世界」を中に立って眺めるのではなく、外から眺めると、そこには改変まで含めた時系列があります。*2
付け加えるなら
のように、個々のマスター/プレイヤーの記憶と無意識、文書*3による複数の記録があります。
神話改変への反動としての静かな怒り、そのリソースをここに求めるのはおかしいでしょうか。
このメタ視点での相関を表現するために*4、セッションでは
- 世界の中に立つなゆた
- テーブルを見下ろすなゆた
- いままでのセッションの流れを見渡すなゆた
の3人が並列してアクションへの反応を処理していて、視点によって異なる処理内容を統合せず*5、そのまま世界に描き下ろしていきます。