舞台裏と物語連想による世界設定
オチはないよ?
といいつつ、時間差で展開するネタを仕込む、というのがコンベンションマスターでは困難な、ワールドマスターに許された特権でしょう。
今回のセッションのタイトル「嵐の夜の夢」はプレイ中には公開されませんが、実は登場人物からの連想だったり。
雷の落ちる神話っぽい話をしよう
→ 雷・・・サンダー・・・ライサンダー!(゚∀゚)ピコーン!!!
じゃぁタイトルは「夏の夜の夢」をいじって「嵐の夜の夢」
→ お、「あらしのよるに」も使える?
ここまで考えてから二つの物語をメタに合成しつつ登場人物を斜め上に歪めながら配置。
その上で、
元ネタがわからないように、そのセッションから切り離します。
つまり関連する登場人物や事件を、他のキャンペーンのNPC、他のセッションの事件、それどころか昔や将来のセッションのPCに投影することで、
- マスターの中ではモチーフも物語も連続性がある
- キャラクターにとってまったく予想のつかない
- プレイヤーはいくつかのキャンペーンに参加して見渡したときに「もしかして!」
- 登場人物に「空白」*1を置いて、その位置に将来嵌るPCを待つ
ような仕掛けを張ることができます。
物語の階層操作によるマスタリング技法 - 蒼き月の囁きの応用で、一段広い形ですね。
今回のセッションレポには書きませんでしたが
- 旅に出るきっかけになった不吉な前兆(ラップ音とか物が落ちるとか)
- かぶると薄ぼんやりと精霊の見える皮のマスク
- 落雷して折れた木の先端には焦げた死体が刺さっていた。PCの検死の結果、風の子のようだ。傍に剣杖がある。
- そもそもなんでDQNはここに落ちてきたの?
とか、そのセッション単体では解決されない情報を細かく落としてあります。
普段はこういう情報もセッション中に出した情報として以上の意味は完全クローズで説明せず、プレイヤーがズバリあてたときのみ、少しだけ情報を公開。
今回は階層操作の一例としての特別公開ですが、この記事自体もプレイヤーの頭に特定のフレームを印象付けておいてから要素を入れ替えるという階層操作の貌も持つことになります。
*1:ギーナ・ジャー、待つ女のような