キャンペーン立ち上げの具体例-2
キャンペーン立ち上げの具体例-1 - 蒼き月の囁きの続きです。
まず男性プレイヤー側のほうが許容幅が狭いのでそちらからチューニング。
「特殊な状況に巻き込まれて頼られる」ということは何らかの要素で女性PCを上回っている必要があります。
物理戦闘、魔術、政治、宗教、知識、人間性、運、などなど軸の設定はいろいろありますが、男性プレイヤーの操るPCのコミュニケーション能力が常に破綻しているという点から政治、宗教、人間性等が自動排除ｗ
男性プレイヤーの希望もあり、わかりやすく物理戦闘能力に設定。
物語の燃料は女性PCのメンタル、エンジンは男性PCのフィジカルという基本構造です。
ただ、物理戦闘能力というのは傭兵でも政治力でも、もっとも代替が利きやすいので、これだけでは弱い。
- 女性プレイヤーは強いので、頼る必要がなければ見捨てるという選択肢を躊躇なく取る。
- 男性プレイヤーは「恋心」「忠誠」「目的の合致」「こだわり」のようなメンタルをフックにしても、くじける可能性が高い。
お願いされても前向きに行動できない。
従って、フックは限りなく物理的な必要があります。
せっかくのファンタジーなので、こういうときの定番は魔術的な結合。
それも男女どちらかを人間外にしてしまうのが便利です。
女性が人間なら「犬夜叉」、男性が人間なら「ウィングマン」。
今回は男性プレイヤーの対人スキルが破綻しがちなので男性PCを人間外に設定。
話の途中でプレイヤーから召還ネタがちらっと出ていたので、頭の中であーだこーだした結果、「男性PCは女性PCによって維持される」をチョイス。
ここで女性プレイヤーの「主従」「従者扱いのひどいご主人様」あたりを絡めて行きます。
ここまでの情報でPC間で関係を設定すると女性PCが男性PCの「ご主人様」です。
が、女性プレイヤーの萌えポイントとしてはやはり従者側が最適。
ひとしきり「主従」のパターン定義や要素分解でディープな論議をした後*1、女性PCを従者とするご主人様をNPC設定できるか位置づけを探ります。
そのときマスターに電流走る──！
「肉体はご主人様…
中身は…召還された男性PCっ…！！」
1分ほど要素探索をした結果、ありとあらゆる条件がはまりこんで行きます。
マスターをやっていて一番楽しい瞬間ですね。
この瞬間に俺の中では魔術的なリンクの性質からルール的な仕掛け、物語に展開される幾百のシーンがほとんど構成終了。
あとはプレイヤーに要素の関連を提示しつつ、納得が得られればOK。
男性PCと対置させるために、「ご主人様」は基本赤レンジャー。
人間性に優れ意志の強い善意のヒーローに設定。
プレイヤーと協議した結果、社会レベルは高いほうがはまりそうだったので、君主社会で魔道師ベース。
するとご主人様はルーンクエストでマンチに設定しやすい魔道戦士。
それもルール以上の魔術、つまり上記設定から必然的に導かれる「マジックジャー」を使う英雄クラス。
類似効果は神聖カルトでも祈祷師でも設定できるけど、まあわかりやすいかな。
要素の提示中に女性プレイヤーから「魔道がわからないけどどうしよう」という指摘がされたので、ガイドとして使い魔を導入してワールド＆ルールサポートと物語配置を調整。
ご主人様は、ある事件で魂を封じ込められてしまい、こんなこともあろうかと仕込んでおいた救急救命魔術が発動。
死のうとする肉体に仮の魂、つまり男性PCを召還し、使い魔と従者に希望を託します。
救命魔術は女性の出産の力をリソースとするもので、従者が初潮を迎えた頃に仕込まれました。
おかげで女性PCは最初の一回以外、月経に悩まされたことがありません・・・蓄積してたんですね。
まあ必然的に胸もつるぺたですが、これは男性プレイヤーの熱望でもあるのでOKｗ
なんという「 計 画 通 り ！ 」
男性PCの召還が女性PCのリソースを使用したものなので、男性PCは女性PCに接触している間しか魔力ポイントを回復できません。
他の要素ではなく魔力ポイントとしたのは、一定時間接触しなければ死ぬとか、悪影響が出るとかだと縛りがきつすぎて、長期間の離別や男性PCの離反の可能性を殺しシナリオの展開の自由度が下がるため。
それでいてルーンクエスト／グローランサ的には「女性PCがいないと困る」のは間違いがなく、かつ魔術的な繋がりを象徴するのに最適なパラメータだからです。
「接触している」というのも、まあ少年誌的な範囲ということで。
二次創作ではエロ妄想の対象となるのは間違いないわけですが、この紙一重感も大切ですｗ *2
男性PCはあえて過去の記憶とか特殊な精霊的思考を設定せずに、「いまそこにいるプレイヤー」を指定します。
「キャラクターシートに記載されたことは知っている」ピュアな記憶を持たない人格。
当然自分の出自や存在の理由も何もわからないのですが、その葛藤がロールプレイの入り口になります。
できあがったキャラクター相関関係は下記の通り。*3
実際はもっと細かなニュアンスとかフックとか萌えポイントとか燃えポイントとか積み上げていますが、図に入らねぇｗ
加えて、キャラクター間フックだけではなく、プレイ中に相手の行動に興味が出るようにプレイヤーフックを施します。
まだ全体像をプレイヤーに説明していないので詳細は秘密ですが、導入プレイで女性PCは男性PCの強烈な経験を体感していました(つまり女性PCにも経験チェックがつく！)。
次回はそのあたりと、この関係性からプロットできる萌え／燃えシチュエーションとかについて書く予定。
