欲求値-キャラクター記述の強化-1

半年かけて模索していたルールがやっと実践投入できたので晒していきます。
ちょっとやりすぎの感はあるんですが、まあうちではこんなゲームも楽しんでますよ、ということで。


長いので4日ぐらいに分割予定。


内容を読むのに名声値ルールが前提条件になっています。
PDFではここ → ルーンクエスト_名声値ルール_ver1_0.pdf
HTMLならこっち → ルール/古いもの/名声値ルール - 那由他の狭間-RuneQuest- - アットウィキ
記事だとこのあたりだけどもしかして改定されてるかも。
名声値-社会的地位の技能化-1 - 蒼き月の囁き
名声値-社会的地位の技能化-2 - 蒼き月の囁き
名声値-社会的地位の技能化-3 - 蒼き月の囁き

欲求値 ver 1.02

 欲求値ルールはゲーム上表記されないキャラクターの行動欲求をプレイヤーに提示するためのルールです。
 ロールプレイのためのフックとして使うことができ、プレイヤー内で完結していたキャラクターの葛藤をゲームとして楽しむこともできます。
 欲求値ルールは名声値ルールとセットで使用します。欲求値ルールを使用するときは名声値ルールのストレスについての項目を欲求値ルールと置き換えます。

欲求値ルールは何でないか

 欲求値ルールは性格を規定するルールではありません。ペンドラゴンのように、性格ルールの結果によって、キャラクターが特定の行動を強制されることはありません。


 欲求値ルールは感情を規定するルールではありません。ファー・ローズ・トゥ・ロードのように、キャラクターが物事をどう感じたかを決め付けられることはありません。


 欲求値ルールはキャラクターに行動も感情も強制しません。ただ、キャラクターの自覚とは別の場所で、常に何かに駆り立てられる存在として人間を定義しています。
 プレイヤーはキャラクター性を壊すことなく湧き上がった欲求を処理していくことができます。欲求がどうしても処理しきれないならば、キャラクターのアイデンティティーを守るために、不利益を甘んじて受けることを選択できます。

欲求のレベルと種類

 このルールでは人間の欲求を8種類に分類します。
 もっとも基本的な欲求は「生存」です。生存欲求は一定の水準が保障されないと短期的に死をもたらします。睡眠、呼吸、水、食事の適切な取得、極端な寒暖や身体的苦痛がないことが含まれます。健康な生命活動を維持する以上の欲求はこの段階には含まれません。生存欲求はキャラクターの喪失によって直接ゲームで記述されるため、欲求値ルールでは扱いません。


 直接生死にはかかわらない内発的な欲求を「性」「所属」「独立」「家族」「尊敬」「消費」「成長」の7つに分類します。
 欲求に貴賎はありませんが、便宜的に性→所属→独立→家族→尊敬→消費→成長の順で、下位から上位と定義します。「アイデンティティー」に依拠する欲求ほど上位という位置づけです。

性欲求

 性欲求は性を持つ生物に基本的に備わっている、異性と交わって子孫を残したいという欲求です。未発達な段階では自分や他者の身体への興味、スキンシップ、特定の匂いへの執着などもこの分類に属します。

所属欲求

 人間は群れで行動する生き物です。周りを仲間に囲まれたい、会話をしたい、仲間を守りたいといった欲求がこの分類に属します。

独立欲求

 独立欲求は好きなことをしたいとか休みたいという欲求ではありません。支配されたくない、命令されたくないという欲求です。否定の対象には親や他者、社会的束縛だけではなく、自分自身や物理法則さえ含まれることがあります。

家族欲求

 家族欲求は性欲求がアイデンティティーに引きずられて肥大したものと見ることができます。よりよい恋人、よりよい子供、自分を理解してくれる自分のコピー、自分があこがれる存在との同一化、そうした欲求をここに分類します。一般に「愛」と呼ばれることが多いでしょう。

尊敬欲求

 尊敬欲求は所属欲求がアイデンティティーに引きずられて肥大したものと見ることができます。集団の中での評価されている自分、特別な自分でいたいという欲求です。場合によっては非難されることさえその解消方法となりえますが、標準的なルールでは正方向の評価を基準に扱います。

消費欲求

 消費欲求は特に生理的な機能にかかわる必要以上の刺激を求める欲求です。味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、酩酊感、性感、恐怖など、その種類は多様です。肉体的・精神的なエネルギーの堆積を解消するための機能ともいえます。

成長欲求

 成長欲求は自分自身に対する高い自己評価を求める欲求です。強い好奇心はこの欲求の表れともいえます。高い技術、強靭な肉体、深遠なる知識、人それぞれあらわれ方は異なりますが、ルーンクエストキャラクターシートに書かれる能力値や技能であれば、常にその対象となり得ます。