iPadアプリのBattle Mapがすごいよ!

iPad2を勢いで購入してしまったのでTRPGセッションでの使用を模索中。
ウチは昔ながらのへクスシートにキャラクターチットを乗せて遊ぶスタイルなんですが、探索しながら随時記入していくと時間がとられがちです。
おまけにマスターが地形を複雑にしたがりで、光源を気にした描写をするのにいろいろ考えることが多くて、よく処理を忘れてあわあわしますw
あとステータス異常の表示とかめんどいですよね。


そんなあなたに「Battle Map」!


3,500円の有料アプリですが、買う価値は十二分にあると思います。

  • 指でなぞるだけでダンジョンでも野外でも、好きなマップが高速に作れる。
  • オブジェクト(キャラクターもオブジェクトの一種)をマップの上に置いて好きに動かすことができる。
  • オブジェクトには名前を表示させられるほか、チットに色付けしたり、マーカーにオーラっぽく色を表示してステータス表現できる(複数指定するとゆらゆら色が切り替わる)。
  • 基本はスクエアだけど、グリッドとオブジェクトの配置はへクスに切り替え可能。
  • 自作のイメージを取り込んでマップの背景画像にできる。
  • 自作のイメージを取り込んでオブジェクトにすることができる。
  • マップをいくつでも保存できる。ファイルとして人とやり取りすることができる。


ここで紹介とデモ動画が見られます。→ http://www.razeware.com/battle-map/


とりあえず作ってみたサンプルマップ。これぐらいなら慣れれば5分ぐらい。


ここまででも十分うれしいんですが、なんと光源射線移動量隠しオブジェクトをサポートしてくれてます。
デザインのためのマスターモードでは常にすべてが表示されていますが、プレイヤーモードに切り替えると・・・


マップを「暗闇」に設定した場合、キャラクターごとに光源の範囲を設定でき、移動するにしたがってマップが公開されていきます。
オブジェクトとして光源を置いて、任意の範囲を明るくすることも可能です。
さらに壁や扉、遮蔽に設定したオブジェクトは光を遮ってくれます。
そして扉はダブルタップすると開き、光源が向こう側に透過するように!


す げ ぇ!


表示範囲はアクティブにしたキャラクター(タップで切り替え)だけに限定できるので、射線が通ってるかどうかもわかります。


キャラクターは隣のマスをタップするとそっちに一歩動きます。
ドラッグで動かすこともできますが、壁の中や移動不能地形にも入れてしまいます。
タップだと移動可能地形にのみ動きます。
そして動いた部分に線を描画し、移動量も表示してくれますよ。


あと隠しオブジェクトが置け、キャラクターがそのタイルに入ると表示してくれます。
罠やハイドモンスター、財宝などにどうぞw



で、ですね。


なんとiPadに別売りのAVアダプターをつけて外部ディスプレイにつなぐと、プレイヤーモードを出力することができます。
iPadはマスターモードにも切り替え可ですが、iPad側を切り替えてもディスプレイにマスターモードが表示されてしまうことはありません。
まあしかしゲームの場所に外付けディスプレイを持ち込むってどんな環境だよとは思いますがw


だいぶはしょって紹介しているので、オブジェクトはつまんで方向が変えられるとか、マップの拡大縮小も二本指で自在とか、マップを画像として出力可能とか、いろいろあるんですが書ききれないので、ヘルプを文字起こししてみました。
英語ですが興味のある方はどうぞ。
 → 雑記/iPadあれこれ/Battle Map - 那由他の狭間-RuneQuest- - アットウィキ


とりあえずリモートデスクトップどどんとふも追求する予定ですが、オンセでなければどどんとふよりこっちのほうがマッチしてるかも。


ノートPCも持ち歩いているのでPC画面でどどんとふという手もあったんですが

  • ディスプレイとして独立している
  • タッチパネルでさくさく操作

の二点でここまで感じが変わるというのは想像していませんでした。


しばらく実プレイで使ってみて、また使いどころとかを報告したいと思います。

もうちょっとこうなったらいいな

  • マップを切り貼りしたい。1マスずらしたりしたくても全部書き直しになっちゃう。
  • キャラクターオブジェクトを他のマップに持って行きたい。マップごとに作るのはめどいですw

みんなでガンガン買って要望出せばバージョンアップしてくれないかなぁ。

おまけ

オブジェクトの設定項目

グローランサって何さ(リサイクル)

中二病の力〜 Today Is A Beatiful Day (supercell) - まりおんのらんだむと〜く+
まりおんさんにidコールされたので、言及された記事をリサイクルしてみる。
はてなに引っ越してきたばかりのときだったんで、記事を分割しすぎて読みにくくなってたんですよね。
初出は2008年3月で、いまよみ返すとだいぶ論旨が飛んでいるし恥ずかしい論調もありますが、まあそのままいきますw




※この記事は過去サイトからの移設記事です

少し連続して呟いてみようかと思う。

wikiよりブログのほうが向いてるんだけど、いまでも10以上抱えてるサイトをこれ以上増やしても仕方がないのでここで。


まりおんさんのTOMEがwikiになったので、ざざっと内容をチェックしていたら、グローランサの他のサイトの解説ページへのリンクが多数潰れていた。


ああ、グローランサ、ほんとに遊んでる人が少なくなっているんだなぁ。


あまり外向けに発言しないようにしていたけど、テーブルトークゲーマーがグローランサを知る手段もほぼ皆無になっているので、グローランサとは何かということについて少し呟いてみようかなと思います。

グローランサって何さ(表の話)

表題としては「テーブルトークと公式設定」とでもしたほうがいいかも。

グローランサは剣と魔法による冒険に満ちた世界です。
多数の神が実在し、多くの魅力的な種族・文明が互いに覇を争っています。
プレイヤー達は様々な独創的なキャラクターで(以下略)

というよく聞くアオリは置いておいて、何がグローランサかといえば「ヒーロークエスト」です。
人は神々の行いを模倣することで、その神様が手に入れた「利益」のおこぼれに預かることができます。


どうやって模倣するかと言えば、普段から神様の教えに沿った行動をして、魔術的な力が高まる日には魔術で「異界」に踏み込んで「歴史以前に神様が実際に行った英雄譚」を演じて帰ってきます。
危険の大きいクエストに成功すれば相応の対価を得、失敗すれば命を失うことも多くあります。


あれ、これって何かに似てませんか?

  • キャラクターを演じて
  • シナリオに参加して
  • 成功すれば報酬を、失敗すれば命を失う

そう。グローランサって、テーブルトークRPGそのものなんです。

なにを書きたいのかな?

書いてるうちに誰向けに何が書きたいのかよくわからなくなってきたので整理してみる。

  1. テーブルトークが大好きで、グローランサを遊んだことが無い人に「グローランサで遊んでみたいな」と思わせたい。
  2. 自分と遊んでくれそうな人に「なゆたと遊んでみたいな」と思わせたい。
  3. グローランサファンに「こういう風に遊んでるよ」と伝えて安心?させたい。
  4. グローランサが衰退していく中で、なんで自分がグローランサで遊んでいるのか見つめなおしたい。
  5. プレイヤーに少しだけネタばらしをしたい。


しかし、1はねぇなw。こんなサイト見ないから。
でも「グローランサ」で検索を書けたときに引っかかって、ちょっとしたきっかけになる程度には意識しよう。
まあ、それ以外主体で。

グローランサって何さ(裏の話)

上に書いたのは表の話。


で、グローランサ魅力的な魔術法則や、莫大な文化人類学的な設定が{議論好きの人を集める}要素になっていて、「正しいグローランサはこうだ!」っていう議論がループで出る原因にもなっていたりします。
それは一定解決もされていて、だいたい下記のまりおんさんの記事がすべてです。
http://d.hatena.ne.jp/mallion/20070511/p1 より引用。

略語

  • GAG – Generally Accepted Glorantha. 「だいたいみんなが認めているグローランサ設定」。
  • Gregging - 「グレッギング」。グローランサ創造者のグレッグ・スタフォードが突然以前の設定と矛盾することを言い出してみんなを混乱に陥れること。エルマルが突如あらわれたり、クラロレラ中心部が第二期に沈んでいなかったことになったとか、HeroQuest のサプリメントによれば、1621年に起こるらしい「Fimblewinter」(1年にわたる冬)が、同じ時期を扱った「グローランサ年代記」には全く記述がないことなどが一例。設定を忘れたのかと思えば、しっかり設定は認識していながら意識的にやってるらしいのが質が悪い(笑)。しかし最近は「あーそうですか、では前の設定はどう解釈されるんですかねえ」とか流されることが多い。
  • MGF – Maximum Game Fun. 「正しいんじゃなくて、楽しいことをしろ」というプレイ指針。グローランサは設定が多いのでことさら強調されるみたい。
  • YGWV – Your Glorantha Will Vary. 「みんなグローランサは違うんだ」。たとえグレッグ・スタフォードでさえ、他の人のゲーム内でのグローランサには口を出せないんだという認識のこと。「グレッギング」があっても、俺のテーブル内の MGF を優先させろ、ということですね。もちろんグレッギングを取り込んで、ゲームが面白くなるなら取り込んだ方がよいでしょう。最近は、グレッグ氏が自分の発言の前に必ず言っている(笑)。


Q.公式設定のグローランサってあるの?
A.ありません。でも、グレッグ氏が一番権威がある。二番目が商業出版された本(新しいものほど優先される)。でも今は商業出版された本(HeroQuest と Mongoose RuneQuest)にグレッグが事前に手をいれていないので、それは注意。


グローランサのコミュニティ周りにいない人にはこの文章だけだとなんのことやらわからないと思います。
まとめると
・設定がどうだとかぐだぐだいってないで、楽しいゲームをしろ。
・そのセッションの中で設定したこと、起ったことがそのセッションの事実だ。
・他人のセッションに自分のところの話を持ち込むな。
・グレッグ(グローランサのデザイナー)の設定を知ってると、他の人とゲームがしやすいかもね。
・だけどグレッグは世界設定をよく変える。整合性はつけないから自分達で考えろ。
ということですね。

グローランサ、何が面白いの?

さて、グレッグの頭の中から出てきた種(世界観)が、土(システム)や水(仲間とのセッション)や肥料(ファンのセッションや反応・勝手設定)など、環境の影響を受けて育ったのがいまのグローランサです。


以下、若きグレッグ君の行動について、勝手に失礼な想像をしてみます。

  1. D&DなどでプレイしたセッションでPCが「俺カッコイイ」ヒーローになる。
  2. シナリオのためにその場で作った世界設定が積みあがっていく。
  3. 厨二病の常でオリジナル世界をどんどん作っちゃう。
  4. 小説も出だしやカッコイイシーンだけ書いて、途中で放り出す。
  5. 参加してるプレイヤー達が勝手に設定作ってくる。
  6. 気に食わない設定も人間関係的に断れず認める。
  7. プレイ中にその場のノリで放ったギャグや苦し紛れの辻褄あわせがログに残って設定になる。


「オリジナル世界を作りたい」意思ありきではなく、気がついたら育っていたんだろうな、と。
だからグローランサは整合性の取れた世界ではなくて、「厨二病とパクリとパロディと言葉遊びと悪ノリ」がベースw


で、もともと詳しかったのか、RPGのネタの為に調べて詳しくなったのか、相乗効果だろうけど。
複数の神話体系と文化人類学ネタが世界を強化していく。


もちろん若きグレッグ君は知識的にも人間的にもすくすく成長しています。

  1. うわ、俺の昔の設定恥ずかしい。もろパクリじゃん。ナシナシ。
  2. 後付だけど、この神話がモチーフだったことにしたら、深みが出るよな。

とやって、若気の山を削ったり、無知の穴を埋めたりして世界を発表できるものに仕上げていきます。
グレッグの偉いのは、ここで丸めきることをよしとせず、意図的に残したり、さらに高く積み上げたりしたとこなんじゃないかな。


そして、この過程でグレッグの中にあった「なにか」、グローランサにたくさんのファンを引き付けるコアがぼんやりと浮き出てきたと思うんですよ。

グローランサのコア

グレッグの中にあった「なにか」、グローランサにたくさんのファンを惹きつけた「コア」とは何でしょう。


言葉にすれば「物語」。


パクリ・パロディが物語の類型に、言葉遊びや悪ノリがマンネリを隠す煙幕に。
物語の要素(存在と法則と行為)がすべてルーンという共通言語に。


そして幸運なことに、このコアはベーシックロールプレイという荒々しいシステムで武装されました。

ルーンクエストグローランサ


「物語のための世界」という種を内包したグローランサですが、それはベーシックロールプレイという「物語」を記述するには向いていないシステムで世に広まります。


特にルーンクエスト第三版で、グローランサは「実質的にヒーロークエストを行えない」という鎖に縛られました。
ルーンクエストは、地を這うような戦闘が、非常に楽しいゲームですw
剣と魔法の世界にありがちなエリア魔法やありえない必殺技はプレイヤーの手から取り上げられます。


これが、物語に偏りすぎなない、地に足のついたセッションが積み上げられる土壌となったと言っていいと思います。

なんかどっかで似たようなこと書いたなと思い出した

http://d.hatena.ne.jp/mallion/20060510/p2


……我ながら言いたいことがよくまとまってるw
まあ今回は書く目的が違うのでよしとしよう。

ここまでのまとめ

グローランサにはヒーロークエストがあります。
ヒーロークエストは「神を演じる」冒険の方法です。


グローランサには莫大な文化人類学的な設定があります。
でもそれはグローランサのコアではありません。


グローランサのデザイナは中二病で、偉そうな設定も後付です。
多くの設定は周囲のプレイヤーやコミュニティの功績です。


ルーンクエストではヒーロークエストはできませんでした。
おかげでグローランサは英雄的でない物語に満ち溢れました。

ルーンクエスト

さて、私はカルトブックの功績も大きいと思いますが、それ以上に「ルーンクエスト」という名前を評価しています。
ルーンクエストのルールはルーンをクエストするためのものではありませんでした。
しかしグレッグがそこかしこに織り込む「何か」が、ルールとは別に、グローランサを深く識る者に「ルーンの探索」を示唆しました。


「ルーンとは何か」


この問いがグローランサを動かしてきた大きな原動力だと私は確信しています。


グローランサエス

ルーンのクエスト、英雄の探索行を目指してルールの制約を打ち破ろうとするマスター達/プレイヤー達の挑戦は、それ自身がクエストでした。


従って、ルーンクエスト3版は意図せぬ仕掛けで

  • 物語を求める人
  • ステマチックな戦闘を求める人
  • 世界とシステムの不整合を埋めようとする人

を惹きつけたと見ることも出来ます。


そしてこの齟齬はいい具合に隠蔽されていて、嗜好の違う人々を気づかぬうちに刷り合わせ、問題を混同させ、混沌とした活気を作りました。


現在のグローランサはHQとMRQのラインで展開されていますが、安易にヒーロークエストを記述しているために、奥深さが損なわれているかもしれません。
グレッグが頑なに隠蔽していたものが、寄る年波とともに緩くなっているようにも見えます。

グローランサエストと共感

マスターとしてのなゆたは、セッションを通じてグローランサを発見することを楽しんでいます。
グローランサの資料とマスターの説明。
これを通して表現されたキャラクターの行動やセッションで話し合われた世界観。
そして物語として「起ってしまったこと」は、マスターの予想を超えてはるかに魅力的なグローランサを出現させます。


「そっか〜、グローランサって、こうなんだ!!」
と、驚きを持って実感することが楽しいんですよね。


これはグローランサの資料を読んだり、コミュニティで何か言い合ったりしていても絶対に得ることのできないものです。
自分だけで考えたものではダメで、他者と体感し、共感してはじめて世界は本物になります。
つまり「Maximum Game Fun.」≒楽しいゲームをしろ、ですね。

グローランサというルーン

ここまででいろいろ「グローランサって○○」と書いてきましたけど、グローランサっていったいどの範囲を指すんでしょうね。


なゆたが今現在認識するグローランサは「箱庭の中から見渡した世界」ではなく、

  • グレッグの作った
  • ゲームのための世界
  • ヒーロクエストがある
  • よく設定が変わる
  • でも公式設定って何?

という、作られた目的や取り扱いの指針を含めてグローランサです。
これも人によっていろいろ認識の違いはありますが、それでも「グローランサ」という単語を介して会話が出来ます。


これがつまり、「グローランサ」というルーンなんでしょう。


私の考えるグローランサの姿も変わってきましたし、これからも変わっていくでしょう。
「公式設定」で「実はヒーロクエストなんてないぴょ〜んwww」なんてこともあるかもしれません。
しかしそれも含めて、グローランサという単語で会話が出来る限りはグローランサでしょう。

テーブルトークの楽しさ

ここから先はグローランサマニア向け、もしくはうちのプレイヤーへのネタの小出しになるので、グローランサってなに?という人は読んでもよくわからないかも。
ただ熱量をもって書くので、グローランサを知らない方にも楽しんでることが伝わればいいなぁ。


テーブルトークの楽しさというのはいくつもあるわけですが、私が強く賛同しているのが

『フレームとはその個人の神話=世界観=価値観=哲学に他ならないので、(マスター/プレイヤー全員による)物語の主導権争奪戦こそ、人間と遊んでいる実感がある。』

http://www30.atwiki.jp/hazama/pages/224.html
という我がプレイヤーの発言で、他で紹介するときは
『世界観のぶつけ合いと認知のプロセスがテーブルトークの楽しみだ。』
と省略させてもらってます。

世界を実感させるものは何か

ちなみにこのプレイヤーは『「お話」は10%でいい。90%の戦闘が本当の人間関係を作る。』(意訳)という戦闘狂ですが、実際にその通りのセッション(キャンペーン/死剣 30セッションで80戦闘w)をやってみたら、驚くほど本当だったと言う経緯があります。


なゆたは比較的徹底してセンス・オブ・ワンダーを追求するほうで、
http://www30.atwiki.jp/hazama/pages/241.html

技術主体になって、魔術はいらなくなるんじゃない?
裏を返せば魔術があれば技術はいらないんじゃない?
魔法で≪破裂≫が使える世界で、爆薬の研究するかなぁ。≪破裂≫を強化しようとするんじゃないかなぁ。

みたいなスタンスで世界を構築していきます。


ただ、あまりにも突飛な、プレイヤーの想像できないものを押し付けてもしかたありません。得意なんですけどねw
1の不思議を記述するには、9のリアリティが必要です。
その点でグローランサは優れていて、文化人類学的なアプローチで書かれたこと細かな設定が、魔術のある世界を地に足の着いたものにする手助けとなっています。


そして、ルーンクエストの詳細な戦闘ルールはこれと同じ役目を担っていると言えます。
戦闘のときの1ストライク・ランクの一挙手一投足、手足が飛び、内臓が飛び出す戦闘バランスが、プレイヤー達にリアルな世界を体感させ、そこで結ばれた信頼関係(or敵対関係)に重みを持たせます。


「結果が明確」というのも大事なことです。
政治戦や恋愛譚では評価しにくい結果が、戦闘ではキャラクターシート上の数字、それも詳細に現れると言うのは素晴らしいことです。


文字で書かれた世界設定よりも、システムで表現され、その項目がプレイされて初めて、プレイヤーは世界を実感します。

世界観の物理的衝突

この記事で書くのは、TRPGの楽しさで、私が感じている「部分」です。単純に課題達成として楽しいとか、馬鹿話の時間として楽しいとか、さまざまな要素と複合しています。ここに書くことがすべてではないので、そのあたり誤解の無いよう。


世界を実感することは、TRPGの楽しさとイコールではありません。
楽しいですけど、質のよい小説・映画・漫画などの物語から得るもののほうが多いかな。


TRPGならではの楽しさは、実感した世界を他者に受け取ってもらうことでしょう。


一方的な受け手ではなく語り手として、自分の世界観を行動で表現する。
すると、他者の行動として自分の表現が反射してくる。
視点を翻せば、語り手の行動に対する評価を行動として返すことができる。


現実世界では困難な「世界観の物理的衝突」を、キャラクターを通じた事象として体験できる
というのは、他の遊びでは見られない面白さです。


もちろん優れたゲームとゲーマーは(例えばディプロマシーのように)、ゲームを通じて同様の会話をできますし、スポーツでもそうですね。たぶん。知りませんけどw


しかし、数字だけでなく「言葉」を共にテーブルに乗せたことで、TRPGは世界観を闘わせる優れた遊びになりました。
言葉だけではダメです。言葉だけよりは数字だけの方がマシですが、それでは敷居が高く範囲が狭いものになります。


共通言語として数字を使い、事象の解釈を言葉によって為す。
これによって、テーブルトークはプレイヤーの感情とその背後にある世界観へとダイレクトにアクセスする機能を提供します。


なんかTRPG論みたいになっていますが、主題は「TRPGグローランサ」ですw
このあたりまでが前フリ。

世界観の衝突とヒーロークエス

あれあれー。ちょっと待てよ?
世界観の物理的衝突ってどこかでも起こっていませんでしたっけ。


そう。グローランサは現実世界では不自然なほど文明レベルが異なる「社会(種族も含む)」が混在しています。
そして社会は世界観を振りかざし、互いに干渉し、争います。
この文明レベルと言うのも私たちから見たものに過ぎませんが。
そのあたりの考察 ⇒ http://www30.atwiki.jp/hazama/pages/240.html


もちろん文明レベルに差が無くても社会の世界観というのは異なるものですが、グローランサではその差は私たちの世界の比ではありません。
また、信仰が思想というよりも物理法則として働くグローランサでは、世界観の変化は物理法則の変化を意味します。


さらに、グローランサでは世界観の衝突が、戦争以上にはっきりとした手段で用意されています。


ヒーロクエストですね。

ヒーロークエストの秘密でさえない本質

ヒーロークエストが世界観の衝突を表す・・・なにかおかしいですよね。
最初の説明では、ヒーロークエストって神様の行動をマネして、神様の神様が手に入れた「利益」のおこぼれを貰うんじゃなかったっけ?


おそらくこれがグローランサ入門者が気づかなければいけない最初の壁でしょう。



ルールブックに記述されるヒーロークエストは、常に「さわり」だけが書かれています。


しかし歴史やサプリメントを見れば、英雄達は、ヒーロークエストで大戦争に匹敵する勝利を引き起こすことも、神となることもできます。
あたかも「最初からそうであった」かのように、世界を作りかえることさえできるのです。



これが昔から公式にはルールにされない、ヒーロークエストの本質です。
代表的なのが「女神のすげかえ」や「赤の女神の神格化」ですね。

ヒーロークエストとグローランサ

グレッグがヒーロークエストをグローランサの柱に据えたのは計画的でも偶然でもないと私は思っています。
世界観=神話の衝突がテーブルトークの本質であること、衝突の結果が時を超えて世界を書き換えることが、グローランサに必要なことを経験的に確信し、実プレイを通して模索してきたのでしょう。


私がグローランサを評価する最大のポイントはここです。


グローランサは「小説のための世界」でも「テーブルトークでも遊べる世界」でも「テーブルトークのための世界」でもなく、
「テーブルトークの楽しさを骨格に据えた世界」
なのです。

すべてのグローランサは正しい

ここまでで「グローランサ」と「ヒーロクエスト」についての私の認識をざっくり書いたし、ゴールデンウィークで時間ができたので、本論に入ってみようかな。


さて、この呟きを書こうと思ったネタのひとつが「俺グローランサ」の問題です。
とりあえずは話の発端を。


http://d.hatena.ne.jp/mallion/20080306/p2#c
http://d.hatena.ne.jp/mallion/20080308/p1#c

mallion
G・ガイギャックス氏逝去のニュースでちょっと思い出したのですが、RuneWars が動き出したら、グレイホークみたいに各自のセッション、キャンペーンの情報を取り込むかたちでログを保存し、共有世界みたいにできたりしたら面白いと思うなあ。
別のテーブルの出来事が、ほかのテーブルのシナリオの事件の発端になったりとか、キャンペーンアークがあって、各テーブルでいろいろとやったりとかね。1621年あたりから始めて。
でも、管理の問題はでてきますけど。グレイホーク(?)で「わたしは核爆弾を爆発させたのでこの街の周囲にいたPCは死亡してください」と宣言した話をどっかで読んだ記憶があるのですが(結局ほかのパーティに退治されたとか)、ストーリーの齟齬をどうするんだというところですね。妙案はない。

なゆた
#blockquote(){「本当の世界」を作らずに、すべて同時並行かつ相互補完。直線的な物事の因果を放棄。
セッションはひとつのヒーロークエスト。参加者の食い違う認識はすべて真実。
記憶が改変されれば事実も変わる。グローランサにかかわるすべての人々の残した記録と変わり行く記憶が真実。
グローランサはそのためにあると思っていて、私はそう扱ってます。


グレッグは「すべてが真実だ」ってよく言いませんでしたっけ(嘘)?

mallion
うん、いってた(笑)。そうでした。Your Glorantha Will Vary だった。


" Your Glorantha Will Vary" =「あなたのグローランサはだんだんと俺(グレッグ)のグローランサとは変わっていくけどそれでいいんだ だってそれがTRPGだもん」、すなわち、「(誰にとっても)『俺グローランサ』が正しい」。


「One True World」や公式設定にこだわりすぎる悪夢にとらわれてはいけないということですね。もちろん公式に沿っていればそれだけ共有がラクなのは確かではあるんだけど、グレッグが「ラリオス地方にフーマス(フマクトの元となったと David Dunham がいった神)はいないよ」と言っても「いや、いる!その方がおもしろいもん!」という人はいることにしていいんだ、ということ。

なゆた
「俺グローランサ」より広いニュアンスのつもりで書いてます。
「総体グローランサ」かな。他者のグローランサも俺にとってすべて正しい。


そもそも、同じセッションに参加していても、見えているものが違う。マスターに見えていないことがプレイヤーに見えてることも、プレイヤーに見えていないことがキャラクターに見えていることもありますよね。
テーブルトークをやって残るのは、キャラクターシートの数値と不完全なログ、そして参加者の記憶。これさえも長期間のうちに失われ、歪められていきます。


だから、ひとつの場所、ひとつの時で、複数の異なる事実が同時に存在してよい。
事実は変わってもよい。
違うセッションで行われた二つの事柄を、誰がどちらが真実だと証明できる?
異なる場所、異なる時で行われた同じ事象はひとつの行為と見なすことができる。
簡単なのは固有名詞をすべて伏字にしてしまうこと。
そこには歴史ではなく行為だけが残る。

──つまり、ヒーロクエストだ。

ああ、しまった。書き終わってからもっとシンプルな書き方を思いつきました。
グローランサで行われる事象はすべてヒーロークエストであり再演である。」
ですね。

mallion
それも一つのかんがえ方ですね。説明が難しそうですが……
その場合、複数の歴史が存在することになりますね。

なゆた
歴史は存在せず因果関係の変動する無数の事象が存在するだけなんですが、なかなか理解してもらうのは難しいですw
ま、俺語りになってしまうので、この辺で。


基本的には書くべきことは上に書き尽くしています。


ただこれだけ読んで伝わるとも思わないので、具体的な事象と処理を引きながら、詳しく展開してみようと思います。
目的は主に
>5.プレイヤーに少しだけネタばらしをしたい。
ですね。

ここまでのまとめ2

2008-04-15

世界観のぶつけ合いと認知のプロセスがTRPGの大きな楽しさです。
システムで表現され、プレイされて初めて、世界は実感されます。

2008-04-16

TRPGは数字と言葉を使って直接的に世界観を闘わせられる遊びです。
現実には困難な事象をシミュレートできるのも表現を助けています。

2008-04-17/2008-04-18

グローランサでは「世界観の衝突」がヒーロークエストとして世界の根幹に組み込まれています。
グレッグは「テーブルトークの楽しさを骨格に据えた世界」としてグローランサを成立させるのに成功しています。




以上!

ファミリーズ!に追加ルールを導入してみる

ファミリーズ!のマスターを4回、プレイヤーで2回やってみて、若干引っかかりがありました。
テーブルゲームとして少し不満があるのもそうなんですが、ルールがデザイナーさんの心象風景を描き切れていないんじゃないか、プレイヤーにデザイナーさんの伝えたい何かが伝わりにくくなっているんじゃないか、と気になる。
twitterでぐにゃぐにゃと考えてたらなんとなく形になったのでファンサイトを作って公開してみました。


考察のtogetter
ファミリーズ!のハウスルールについてぐだぐだ1
ファミリーズ!のハウスルールについてぐだぐだ2


追加ルール
ファミリーズ!エクストラ!


ルールの詳細は読んでいただくとして、この記事ではデザイン上の意図をどうルール化したかについて書いてみようと思います。


ちなみに改善したいポイントはあくまで私の解析です。
実際にどういうゲームであるのかは、必ずファミリーズ!を遊んでみてから評価していただけるようにお願いします。面白いですから!

改善したいポイント

  • ドラマ:終盤に失速感が出ることがある。シナリオ優先ミッション後回し以外の選択がない。
  • 集団:シナリオ優先時に困難なミッションを抱えているキャラクターのみがを受ける。
  • 集団:追加ミッションを引くタレントの使い辛さ。自分へのコストではなく場へのコストになっている。
  • 集団:キャラクター同士の協力関係をルールが「サポートするよ」と宣言していない。
  • 運営:キャラクターが行動したかどうか不明確になることがある。
  • 運営:誰が最初に行動するか牽制することがあってテンポを落とす。
  • 世界観:タスクがであり

バランス中心でルールをいじりまわしてから、世界観にマッチさせるチューニングとしてp34-p35の不定世界とクリティカル・ポイントをクローズアップしてみたらなんとなくうまくいきました。

CPタイトロープ

要旨:最初のランダムミッションを引いて、各キャラクターの抱えるタスクとミッションの合計数を計算してから、ゲームが成立するバランスでシナリオの必要スート数を計算するルール。

  • ミッションの引きによるセッション成否の揺れが小さい。
  • タスクを持っているとシナリオの難易度が下がるので、タスクを持つキャラクターが「お荷物」であるという精神的負担がない。
  • タスクを持つことが負担でなくなることでタスクの的性質が個性に置き換わる。
  • 場に負担をかけることなく自分の責任で「ミッションの失敗を選択」できるので追加ミッションを引くタレントを使いやすい。

CPカード

カードを縦2枚×横5列並べることで、視覚的にゲームの進行を表示。

  • 家事カードを配布する時間コストを削減。
  • カードタップで、行動終了をマークできるように。
  • 行動順位を数値順とすることで行動の牽制によるテンポ悪化を緩和。
  • 家事のみを意味するわけではなくなったので名称をCPカードに。ファミリーズ!がクリティカル・ポイントを争うゲームであることを用語化。

「CPボーナス」と「めまぐるしい日々」

家事判定に成功すると次のCPカードを引くまでそのスートの判定に+1。
JQKを引いたキャラクターはシナリオに対して行動できない。

  • 「日常生活が他の物に妨害されてうまく回らない」「シナリオに集中したいのに日常が足かせになる」の相克のルール記述。「今やりたい=今やったほうが有利・遅れると手遅れ」「邪魔=それなのにできない」。
  • やりたいこととできることのギャップを変動させることでプレイヤー心理にメリハリ。
  • シナリオとミッションのどちらに対して行動するか迷う人の決断を助ける。
  • その瞬間のキャラクターと世界の関係性、それが刻一刻移り変わることを表現(後付世界観)。

シンクロ・ポイント

CPカードが同一数値のキャラクター達は互いのミッションに対して行動可能。
協力を宣言すれば互いのCPボーナスを適用可能。

  • キャラクター同士の協力推奨をルールで明示。
  • 偶然性によるドラマ演出の補強。無関係なキャラクターと関係構築する言いわけ提示。

CPリンク

フィックスとしてミッションをシナリオに結合することでスーパーモードでなくても他のキャラクターが関われるように。ただしミッションが解決しないとシナリオも失敗する。

  • キャラクター同士の協力推奨をルールで明示。
  • あたかもミッションとシナリオが関連しているようにロールプレイすることは可能だったが、ルール的なサポートがなかった。日常と非日常を結合するドラマ演出の補強。


という感じですね。
とりあえずデザイナーの@haruwosumiさんにも遊んで貰え、そこそこ意図したとおりに挙動しました。
めでたい。


しかし世界観をルールで表現するのが楽しいこの性分はなんでしょうね。

キャラクター妄想-多々良四季

はるをさんに『ファミリーズ!』のマスターをやってもらいました〜。
セッションは楽しかったんだけどちょっと伏字が多くなってしまったので、記事にできないw
無難に自分のキャラクター妄想だけ投下。
(プレイレポートというほどではない内容はtwitterでつぶやいているので、興味のある方はtwilogこのへんを見てください。)

多々良四季

基本値:クラブ-5 スペード-4 ハート-6 ダイヤ-6
家族人数:5人。スペード-1
シンボル:黄色い財布、特性調理器、職場のある場所
タレント:宝剣の主、傾国兵器


外見は20代前半。その時代の平均的な女性の伸長よりちょっと高め。
細身、腰上までの長い髪、目立たないが楚々と整った顔立ち。
主に親を失った子達の家に、姉、母のように居つく何か。


子供たちを保護しなくてはならないという気持ちは強いが、家事全般が得意な「お母さん」ではない。
特に料理は壊滅的、というか味オンチ(スペード3)。作る食べ物はだいたい酸っぱいか苦い。
座敷童的な何かなのか、お金に困るということはあまりない(ダイヤ6)。金持ちになるわけではなく、だいたいどんなところでも、食べれるだけの金銭的な職業や環境を見つけ出してくる(シンンボル-黄色い財布+職場のある場所=ダイヤ8)。


基本的な性格は勤勉で真面目。ガールズトークもできるが、おおむね聞き役。
ただし主張を通さなければならない場面では、ストレートに感情を出しながらきっぱりと話す。
あまり女性的な回りくどさのない素朴な意見表出、穏やかな外見と知性を感じさせる口調に相手が飲まれ、不思議な無理が通ることもある(スペードのA-宝剣の主)。


目立つわけではないが、外見に惹かれて男性からアプローチを受けることも多い。
基本的には困った顔をして話をはぐらかしてしまう。
ただ本当に生活に困窮した時のみ性的なオーラをまとうことがあり、この頼みを断れる男性はまずいない(ダイヤのK-傾国兵器)。


2011年のみゆき町では、多々良家で4人の子供の姉を演じている。
ちなみにセッションでフィックスされた情報によると、1941年には中国とロシアの間で、陰謀劇に巻き込まれ、高貴な血筋の赤子を連れて逃げていたらしい(笑)。


12歳の双子、大河と氷河は典型的な馬鹿小学生で、四季はよく学校と近所に謝りに行っている。二人とも運動神経が良く、サッカーチームで活躍中。
10歳のあさぎは小さなお母さん。多々良家の衣食は主に彼女によって支えられている(シンボル-特性調理器)。四季に対しても「しょうがないなあお姉ちゃんは」目線。
末っ子は4歳の女の子。名前は乱。四季が入り込んだ家庭では、四季が家族であるかのように記憶が書き換わるのが普通だが、彼女だけは幼子のカンなのか、他の理由なのか、四季が本当の姉ではないのに気が付いている。


四季は自分が「人間ではない何か」であることを普段意識していない。
その時の「家族」と話しているときは、相手の記憶に勝手に自分が刷り込まれ、四季はそれを「思い出す」。
日常から離れた困難を彼女は無意識に避けようとする。
「事件」は彼女が人間でないことを思い出させる。これは彼女にはつらいことで、思い出した日は眠れず、酒に逃げていることもある。


彼女が思い出すのはつまり──


自分が本当は家族ではないこと。
たくさんの家族を失ってきたこと。
いまの家族もまた、ついに失われるであろうこと。
そして、それを自分が思い出し、また泣くであろうこと


──である。


彼女が本当に何者なのか、彼女に涙の枯れる日はくるのか、それはわからない。
彼女は目の前のいまを、いまの家族の幸せを願って生きている。


【了】

自作アイテム紹介-忍び寄る死の蹄音

忍び寄る死の蹄音

 この忌まわしき魔具は、一見すると黒一色に塗り込められた水滴型の兜に見える。
 しかしこの兜は顔の前面に蝶番を持ち、頭部を挟み込むように閉じてから、後頭部を留め金で止めるように作られている。首の位置を除いて開口部はない。これを被り、留め金を締め上げたなら、着用者は見ることも、聞くことも、もしや息をすることさえかなわないだろう。


 しかしこれは兜であって兜ではない。
 『忍び寄る死の蹄音』は、着用者を死の担い手と為す秘宝である。

同調

 この兜の所有者となるには馬上で使用できる武器攻撃と乗馬に技能成功率が90%以上なくてはならない。
 また、豊穣のルーンを持つ神の信徒であってはならない。
 兜を手に入れたものは、兜を身に着け呪符と召喚の複合儀式を行う(低いほうの成功率を用いる)。POW1ポイントを消費した上で、さらにPOW20に対する抵抗ロールに成功すれば、兜の所有者となることができる(抵抗ロールにはPOWを減らす前の値を用いてよい)。
 兜の所有者の額にはうっすらと黒い十字が浮かび上がる。
 注:特に人間外の使用については定めず、SIZも8〜18で可変としてよいが、処理の煩雑さを避けるため、人間外には効果がないとしてもよいだろう。
 すでに所有者がいる場合、その所有者が死なない限り、所有者を変更することはできない。

装着

 兜を装着すると、着用者の首は1ラウンドをかけて闇となって霧散し、さらに1ラウンドの後、重々しい蹄音とともに、黒き首のない馬が異界から呼び出される。
 着用者は通常の視覚と聴覚を失い、話すこともできない。ただし、生命体はうっすらとした光として知覚でき、そのおおよその区別もできる。
 着用者の頭部に命中した攻撃は、クリティカル時以外は胸部への命中として扱う。
 頭部へのクリティカルヒットが発生した場合、兜は一時的に機能を停止し、自然に脱げ落ちる。


 着用者は消沈および恐怖に類する効果を受け付けない。惑い、狂気は適用される。
 視覚・聴覚・嗅覚・味覚に対する刺激も受け付けない。
 トータルHPが2以下になることによる気絶効果を受けず、眠り、毒、麻痺などを受けても、体が動かなくなることはあっても、意識は失わない。

騎乗

 首なし馬は下記の能力を持ち、けして怯まぬ軍馬として扱う。

STR 40 SIZ 40 INT 10 DEX 10
耐久力:40  移動力:10


蹴り      6 50 1D6+4D6
リア&プランジ 6 25 2D6+4D6
踏みつけ    6 75 3D6+4D6


 首なし馬は生物ではなく、部位はない。物理的な攻撃に対しては4のAPがあるものとして処理する。
 もし馬の耐久力が0になったなら、馬は闇となって霧散し、使用者はSTR/CON/DEX/APPいずれかの現在値を1ポイント失う。
 馬が霧散しても兜の着用が自動的に解除されることはないが、その夜の間に馬を再度召喚するには、MPを使用して召喚儀式に成功する必要がある。このとき使用したMPが召喚した馬の耐久力となる。
 馬の耐久力の減少は通常の手段で回復させることはできないが、翌日以降に召喚したときは完全に回復している。

魔術

死の蹄音

 首なし馬の蹄音を聞いた生物は、POW10に対する抵抗ロールを行い、失敗すれば精霊魔術の《消沈》と同様の効果として扱う。
 この効果は夜が明けるか、召喚が解除されるか、使い手か馬に打撃を与えるまで持続する。

死の宣告

 着用者は馬にまたがり、ひとりの相手を指さすことで、その相手に《死の宣告》を行える。《死の宣告》が効果を発揮するには、犠牲者が着用者の挙動を認識していなければならない。《死の宣告》はDEXSRM+3SRを使用する魔術として扱う。
  着用者は、兜を装着している間、犠牲者がどの方角にいるか感知することができる。また、1週間に一度、首なし馬に乗り、犠牲者から1D100m以内に転移することができる。
  《死の宣告》を行った相手が1年以内に死ななかったならば(蘇生の不可能な完全な死亡)、着用者の首は兜を装着していなくとも異界へと消え去り、着用者は死亡する。

除装

 装着してから一体も知的生物を殺していない段階で兜を外すには、POW20に対する抵抗ロールが必要となる。成功しなければ兜を外すことはできない。
 また、この抵抗ロールにファンブルをした場合、着用者は一時的な狂乱状態に陥り、近くの知的生物を無作為に殺し始める。POW抵抗ロールは一体殺すごとに行えるが、成功するまで殺戮はつづく。
 一体でも知的生物を殺した後であればこのロールは発生しない。

 兜が魔術的な効果を発揮するのは陽の光の差さない時、場所に限られる。
 着用者が兜を外すことなく陽の光を浴びた場合(《陽光》《太陽槍》も同様)、兜は自動的に脱げ落ち、着用者はAPPの現在値を1ポイント失う。

TRPG関連twit-20100925-20101001

20100925

再起動。さすがに14時間寝たら復旧した感じがする。今日はゲーム休みだし、少し書きものできるかな。
フィックスに絞って書くとあんまりいい記事になんないなー
やっぱりAマホを無視して書くわけにいかないし、Aマホと比較するとAマホをどうチューニングしたかという内容にならざるを得ない……んー
まあサンプルシナリオの1番目が花見なわけだし、それを狙ってるという解釈でいいのか
Aマホをもっと軽く、誰でもできるように、必要な要素をキャラクターシートに落として、かつセットアップを個人キャラクターではなく「主婦/夫」という存在にシフトさせ、ルールでキャラクターが個人でないことを隠蔽(もしくは明記)した。
おお、ブログに書くことがなくなったw
まあなんにせよキモは特殊能力やミッション、タスクの関連性なんだよな。
ということはフィックスにこだわって書くのは間違いだなあ。どんな嫌タスクがあるかというのを羅列したほうがいい紹介になる気がしてきたw
日常生活に収まらない事件は副次的なもので、このシステムを使って長く遊ばれたキャラクターは、「なぜ自分は家事をするのか」というテーゼに直面して、自分の存在確認もしくは否定をしてゲームから立ち去って行くんだよなー
テストプレイだけだと、この部分を見切れないから、自分の感性だけで書くしかなくて具体的な紹介にならんw
しかし書けば書くほどVampire.Sさんのメカニズム/ポリシーの話になっていく。
サプリメントとして自分の体験した日常的ミッションを抽象化せずに具体的な内容で羅列するのがすごい効果的なんじゃないのか
引越屋の選定、古いマンションを売るか維持するか、こどもの修学証明の取り寄せ、家賃の振込、家族の葬儀、夫婦げんか、シモの話はレーティング作らないと駄目だなw
家電の購入、溜まった洗濯物、インテリアの選択、きれる電球、残業続き、終電を逃す、クリーニング取りに行かなきゃ、庭の草むしり、隣人にのぞかれる、道路の排気ガス、受験、落ちこぼれ、虫の鳴き声
ミッションとタスクの数を莫大に増やして家族の年齢層や構成によって発生するミッションを切り分けると語りの能力の優劣にかかわらず遊びやすいかな
悩みすぎて完全に書けなくなったのでしばらく放置
おでかけなう。結局一日だらけちゃったな。まあ今週はダメージ大きかったから、回復必要だわね。
欲求値と名声値ルールの連動部分をもう少しきちんと書ける準備ができてきた気がする。
種類の異なる名声値は等価ではない。しかしキャラクターの中では欲求値を介して等価でありうる。
このときの挙動をきちんと定義できればいろいろ解決するなー
あー、なるほど。名声値と欲求値の等価交換が成立しているように見えるのは、欲求とストレスという測定不能なものを扱っているからか。解釈がプレイヤーに渡されて、その影響が現実でも測定できないからあたかも妥当に見えるのか。
TRPGでうまく回るルールはプレイヤーの快感原則にマッチしているのが基本。だから適度な課題達成や自己肯定が含まれているルールは回りやすい。
@koubou 目的地まで飛べばいいのでは……というツッコミ待ちでしょうかw

20100926

晴れた空と木陰のベンチ。涼やかな秋風と冷やし味噌ラーメン。比較的至福に近い。なんで気温がおんなじでも春は暖かいと感じ、秋は涼しいと感じるんだろうと考えるなどなう
子育て中の人の困ったネタに同意できないことが時折あって、何でなんだろうと考える。甘えに関する所が多い。やっぱりこのラインを守らないと殺すよ?と幼児に向かってオーラを出すというのは世の中ではやられないのだろうか。愛を与えてないとは思わないのだけれど。
世界はお前を助けてくれない。お前を助けるのは自分自身だ。というのを対話の根っこに置くのは、自分が助けて欲しかったけど助けて貰えなかったという恨みでもあるのだろうかと自省してみる。いまいち思い当たらない。
しかしその姿勢は冷たいと評されるのであった。愛に満ち溢れてるつもりなのに。そしてこの一文の末尾に wをつけるかどうかで迷う。
さて頭の中だだ漏らしタイム終了。たまにはこういうのやらないとね。ブックオフいこう。
@haruwosumi 最近のマンションは組み込みが多いというのもあるかもー
@haruwosumi ちなみにマンションネタですと、最近引っ越したマンションにガス栓がなくて難儀してます。オール電化になってきて、ガス乾燥機が使えない!
@haruwosumi なくてもなんとかなるからですよねー。洗濯機ないのとはわけが違う。
ちなみにうちは引っ越し時に食洗機の水抜きゴムをなくして、使い物にならない食洗機が台所に鎮座している。どうしよう……
メーカーも生産中止していて部品としての取り寄せもできない。水回りは手作りも後が怖いんだよなー。
@rufelza うむ。ダメもとで電話ですかねー
@haruwosumi その話を聞いた瞬間に、東京ガスのリストラを心配してしまいました(^-^;)
@yelmalio 興味深いなー、と思うのは、こどものそういった要求になぜ応えたいのかとか、応えないとストレスになる人とならない人の違いはなんなんだろうとか。子供もまた人を見るんですよねー。
なんかファイブスターを読み返したくなって読みだすけど、これは一日潰すフラグ
さて、夕食の買い出し。昨日はカレーだったから今日は和食か麺がいいかなー
そういえば三軒茶屋は日曜午後にいまは珍しくなった歩行者天国が残ってます。@haruwosumiさんが来たことないようならオススメ
カルディーコーヒーファームはちょっと買いたくなる物が色々。しかしリアルよりも物を読み何か書いている方が快感で安上がりと言う性質が手を止める。だけどアウトプットには実感が必要で、そのために買おうかと思った瞬間に消費物ではなく教材に添加する不思議
読んだ。相変わらず凄い。どうも全体の流れが演劇まで決めてあったらしい。 / Amazon.co.jp鈴木先生(10)ーアクションコミックス: 武富 健治: 本 http://htn.to/7NS1QK
読んだ / Amazon.co.jp宇宙兄弟(11) (モーニングKC): 小山 宙哉: 本 http://htn.to/D3GAPK
あいかわらずすごい書き込みだ / Amazon.co.jpチェーザレ 7―破壊の創造者 (KCデラックス): 惣領 冬実: 本 http://htn.to/MdaARL
素直に面白い / Amazon.co.jpべしゃり暮らし 10 (ヤングジャンプコミックス): 森田 まさのり: 本 http://htn.to/guNJVP
ということで、ダラダラとニコ動みたり漫画読んだりの一日。最後にファイブスター読もう。

20100930

おお、セッション中にログをtweetしてくというネタを思いついた。別アカウントで実践してみよう。

20101001

今日のタスク:風歌のガイドラインを最新ルールに合わせて修正。やっぱりキャンペーンとしての目線がプレイヤーに見えないとやりにくいので、祭り展開も含めて大ネタおこす。
なんかtween使いにくいな。twitterのwebインターフェースのほうが馴染む。なぜだ。
さて、今日の作業を始めよう。明日はちょっと気合を入れてセッション。
word2010使いづらい。死ぬ。使いたい機能を見つけられないってどういうこと。Microsoftのバカ。Open Officeに乗り換えちゃる。
極度に反社会的な集団/暗黙に許されているロールプレイでは限界/悪人や犯罪者をステレオタイプではなく引き付けるための「欲求値ルール」/人間の暗黒面や心理的葛藤へのアクセスをルールとして保証
安住の地を失った者/怒りと屈辱、払いきれぬ業/攻撃性や残忍さがどういう形で現れるのか/どうやって集団をコントロールするのか/力を持てば地位が上がり、キャンペーンから除外
悪意へのアクセスをデフォルメや皮肉にせず、どう正面切って、心底シンクロして扱うか。果たしてそのゲームは楽しいのか。
心の底から湧き出る嫌悪感を「一歩引いて客観視」……するのではなく!引かずに、嫌悪感の根源に飲み込まれながら、原点へと辿りつくような手ごたえが欲しい。
まあしかし、こんなプレイヤーの楽しみに反したものを無理無理やっても仕方ないので(俺は自分がプレイヤーをすると楽しいのだけれど)、適当に薄めて混ぜて、芯をぼかす簡単なお仕事。
悪も善も皮肉として描くのはまあ楽だし、それなりに楽しいゲームになるんだけど、いつも「違うよなぁ」という思いがある。たんたんとしたパワーゲームと情緒や存在意義が混然一体となったカオスを提示したい。
nayuta77さんの文体一致度1位 浅田次郎 2位 小林多喜二 3位 松たか子 http://logoon.org/t.php?u これ面白いな。どうやら俺の文は浅田次郎さんの文体に似ているらしい。ブログ記事でいくつかやってもそうなる。もっと基礎データが多いとうれしい。
いかん、過去記事に目を通していたら作業が進んでいない。ぴんちだ。
明日のセッションの参照動画。ベリーダンス。プラックスの大地系祭祀の1シーンとして。 http://t.co/7iffnw7
その2。ツインソードでベリーダンス http://youtu.be/hiFrBd7qtlA
もう少し遊牧民よりのダンス http://youtu.be/e5me34bD8sY
ダンスバトルっぽくいくならこういう感じ。ダンスというより人の輪のイメージとか。 http://youtu.be/Y5voG5iT1h8
男性向け http://youtu.be/tTVZ0dnf36k
オーランス側がケルト風ならこんな風味。http://youtu.be/SB7Y1B7j8S8
礼拝の動画を探しているが、予想通り難しいなう
うん、やっぱりマスターの口先だけで状況流していくのと、イメージを補完する動画や画像があると全然違うな。PCの行動もメンタリティーも変わる。
セッション中の発言はこっちにながすとあまりにカオスなので、@nayuta77_sessioに垂れ流すことにしよう。
作業追いつかない。やっぱり前日のみで準備しようというのが間違っている。でも何日も前から準備できるのはよっぽどノリのいいときだけという現実・。
子分ルールをきちんと作らねば。基本的には子分にどれだけ「所属」を与えられるかというのが基準になるはず。所属感を与えるには子分に対してコミットする必要がある。
そうするとコミットする技能か・・・あと子分の増加をどうとらえるのか。
欲求値ルール、やっぱり値の量が大きい気がする。POWを13-16と仮定すると、その値まで累積して初めて意味があるというのは、リソース管理としては煩雑。ほんとは1ポイントあたりPOW5相当ぐらいまで丸めちゃいたいけど、そうすると微調整効かない…
だーめだ。とりあえずねよう。いまいちまとまらなかった。