ファミリーズ!に追加ルールを導入してみる

ファミリーズ!のマスターを4回、プレイヤーで2回やってみて、若干引っかかりがありました。
テーブルゲームとして少し不満があるのもそうなんですが、ルールがデザイナーさんの心象風景を描き切れていないんじゃないか、プレイヤーにデザイナーさんの伝えたい何かが伝わりにくくなっているんじゃないか、と気になる。
twitterでぐにゃぐにゃと考えてたらなんとなく形になったのでファンサイトを作って公開してみました。


考察のtogetter
ファミリーズ!のハウスルールについてぐだぐだ1
ファミリーズ!のハウスルールについてぐだぐだ2


追加ルール
ファミリーズ!エクストラ!


ルールの詳細は読んでいただくとして、この記事ではデザイン上の意図をどうルール化したかについて書いてみようと思います。


ちなみに改善したいポイントはあくまで私の解析です。
実際にどういうゲームであるのかは、必ずファミリーズ!を遊んでみてから評価していただけるようにお願いします。面白いですから!

改善したいポイント

  • ドラマ:終盤に失速感が出ることがある。シナリオ優先ミッション後回し以外の選択がない。
  • 集団:シナリオ優先時に困難なミッションを抱えているキャラクターのみがを受ける。
  • 集団:追加ミッションを引くタレントの使い辛さ。自分へのコストではなく場へのコストになっている。
  • 集団:キャラクター同士の協力関係をルールが「サポートするよ」と宣言していない。
  • 運営:キャラクターが行動したかどうか不明確になることがある。
  • 運営:誰が最初に行動するか牽制することがあってテンポを落とす。
  • 世界観:タスクがであり

バランス中心でルールをいじりまわしてから、世界観にマッチさせるチューニングとしてp34-p35の不定世界とクリティカル・ポイントをクローズアップしてみたらなんとなくうまくいきました。

CPタイトロープ

要旨:最初のランダムミッションを引いて、各キャラクターの抱えるタスクとミッションの合計数を計算してから、ゲームが成立するバランスでシナリオの必要スート数を計算するルール。

  • ミッションの引きによるセッション成否の揺れが小さい。
  • タスクを持っているとシナリオの難易度が下がるので、タスクを持つキャラクターが「お荷物」であるという精神的負担がない。
  • タスクを持つことが負担でなくなることでタスクの的性質が個性に置き換わる。
  • 場に負担をかけることなく自分の責任で「ミッションの失敗を選択」できるので追加ミッションを引くタレントを使いやすい。

CPカード

カードを縦2枚×横5列並べることで、視覚的にゲームの進行を表示。

  • 家事カードを配布する時間コストを削減。
  • カードタップで、行動終了をマークできるように。
  • 行動順位を数値順とすることで行動の牽制によるテンポ悪化を緩和。
  • 家事のみを意味するわけではなくなったので名称をCPカードに。ファミリーズ!がクリティカル・ポイントを争うゲームであることを用語化。

「CPボーナス」と「めまぐるしい日々」

家事判定に成功すると次のCPカードを引くまでそのスートの判定に+1。
JQKを引いたキャラクターはシナリオに対して行動できない。

  • 「日常生活が他の物に妨害されてうまく回らない」「シナリオに集中したいのに日常が足かせになる」の相克のルール記述。「今やりたい=今やったほうが有利・遅れると手遅れ」「邪魔=それなのにできない」。
  • やりたいこととできることのギャップを変動させることでプレイヤー心理にメリハリ。
  • シナリオとミッションのどちらに対して行動するか迷う人の決断を助ける。
  • その瞬間のキャラクターと世界の関係性、それが刻一刻移り変わることを表現(後付世界観)。

シンクロ・ポイント

CPカードが同一数値のキャラクター達は互いのミッションに対して行動可能。
協力を宣言すれば互いのCPボーナスを適用可能。

  • キャラクター同士の協力推奨をルールで明示。
  • 偶然性によるドラマ演出の補強。無関係なキャラクターと関係構築する言いわけ提示。

CPリンク

フィックスとしてミッションをシナリオに結合することでスーパーモードでなくても他のキャラクターが関われるように。ただしミッションが解決しないとシナリオも失敗する。

  • キャラクター同士の協力推奨をルールで明示。
  • あたかもミッションとシナリオが関連しているようにロールプレイすることは可能だったが、ルール的なサポートがなかった。日常と非日常を結合するドラマ演出の補強。


という感じですね。
とりあえずデザイナーの@haruwosumiさんにも遊んで貰え、そこそこ意図したとおりに挙動しました。
めでたい。


しかし世界観をルールで表現するのが楽しいこの性分はなんでしょうね。