技能X-<読み書き>技能の詳細な運用とさまざまな文書-2

技能X-<読み書き>技能の詳細な運用とさまざまな文書-1 - 蒼き月の囁き

<読み書き>技能の詳細な運用とさまざまな文書

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の続きです

独習可能な文書の作成

読解することによって読み手の技能に影響を与える文書は、技能パーセントを高められる量を持っています。これを「情報量」と呼びます。


書き手は文書のページ数を決めてから執筆を始めます。20ページを記すたびに望むテーマに即した技能と<読み書き>の複合ロール*1を行います。これを「テーマ技能ロール」と呼びます。<読み書き>の成功率は書くスピードによるペナルティを適用したあとの値を使用してください。
テーマ技能ロールが成功なら1ポイント、効果的成功なら2ポイント、決定的成功なら3ポイント、文書の情報量が加算できます。ただし、テーマ技能ロールの出目が難読度を超えているときは加算する値から1を引きます(マイナスにはなりません)。
テーマ技能ロールのファンブルは誤った情報や混乱した記述によって文書の情報量を1D3ポイント低下させます。マイナスの情報量を持った文書は、研究に使用したキャラクターの技能を引き下げます。


<読み書き>の成功率を5%引き下げることで、テーマ技能ロールに必要なページ数を1ページ減らすことができます。最大で95%のペナルティーを受けて19ページを短縮し、1ページで1回のテーマロールを行うことも可能です。


始めに決めたテーマ技能ロールの回数に満たない未完成の文書は、情報量が半分(切捨て)になります。性急に結論を出す、書き足すなど、論立ての変更は1回のファンブルとして扱い、文書の情報量を1D3ポイント低下させます。
執筆に消費した時間は<読み書き>の研究時間として計算することができます。

例:ヒウラリウスは<セデーニャ哲学>を55%持っており、その啓蒙書として『赤髪と七人の侏儒』を書いています。彼の見立てではこの本は1000ページ弱(50回のテーマ技能ロール)の大作となる予定です。
彼の<新ペローリア語読み書き>は98%。遅筆とそしられる彼ですが別に書くスピードが遅いわけではありません。10分に1ページのスピードで書き進めます。この速度での彼の<読み書き>の成功率は73%になります。広く読んでもらいたいので、難読度は30に設定することにしました。
<セデーニャ哲学>と<読み書き>の間にまだ15%の差があるので、テーマ技能ロールは17ページごとに55%の成功率で行なうことができます。決定的成功は03以下、効果的成功は11以下、成功は本来55以下ですが、難読度が30なので31以上は失敗です。
中盤、調子に乗ってきたヒウラリウスは興が乗った*2ついでに170ページばかり(10回のテーマロールを追加)書き足します。これによって最終的な情報量は1D3ポイント下がることになりますが、まあやむをえないでしょう。
結局ヒウラリウスは60回のロールで1020ページ(170時間)を書き飛ばし、3週間半でこの作品を書き上げました。この時点で積み上げた情報量は23ポイントですが、テーマ技能のファンブル2回と書き足し1回を含むので3D3をマイナスして18ポイントになりました。難読度30の娯楽書としてはなかなかのモノでしょう。*3
『赤髪と七人の侏儒』は数点の挿絵と豪華な装丁を施され、[1020ページ/難読度30/<セデーニャ哲学18>]の書物として匿名で発表されました。初版77ホイールの高値にも関わらず、即日市場から姿を消したということです。
キャンペーン/或るダラ・ハッパ貴族の優雅な休暇 - 那由他の狭間-RuneQuest- - アットウィキ

独習可能な文書による技能の訓練・研究

キャラクターは文書を読みながら独習することで、教官に指導してもらうのと同様に、書かれているテーマ技能を訓練のルールを使って向上させることができます。
文書の難読度以上の<読み書き>がないキャラクターは、最初に「文書を読む」ルールに従って文書をすべて読み通さなくてはなりません。


文書の情報量より高い技能パーセントを持つキャラクターは、訓練の前に「読了ロール」を行います。D100をロールした出目が文書の情報量以下もしくは自分の技能パーセントより上であれば、その文書を訓練に用いることができます。そうでなければ、その文書から得られる情報はすべて機知のもので、訓練に用いることはできません。

例:ヒウラリウスは新ペローリア語で写本された『カルマノイの憂鬱』の写本を手にいれました。彼の<カルマニア知識>は8%、『カルマノイの憂鬱』の情報量は10です。彼はこれを8時間読み耽り、技能は10%にあがりました。再度10時間の読み解くことで、技能は12まで伸びました。
この時点でヒウラリウスの<カルマニア知識>が『カルマノイの憂鬱』の情報量を越えたため、ヒウラリウスは読了ロールを行わなくてはなりません。出た眼は81で、この本からはまだ学ぶことがありそうです。再度12時間研究し、ヒウラリウスのカルマニア知識は14になりました。読了ロールをすると、なんと14。どうやら彼がこの本から学ぶべきことはすべて学んでしまったようです。
以降、彼はこの本から何かを学ぶことはできません。もしヒウラリウスが読了ロールに失敗し続けたとしても、彼がこの本から学ぶことができるのは8%+情報量10=18%が上限です。


研究について特に資料の必要性は明記されていないため、残念ながら、学習可能な文書を技能の研究に使用するメリットはありません。


以下、予定

写本
さまざまな文書
執筆関係の料金

*1:二つの技能の低いほうを成功率として判定

*2:触手!触手!

*3:難読度55の教養書として書いた場合の情報量を出目から計算すると33ポイント。