ルールで世界を記述する-2

太陽領について考えて見る-3 - 蒼き月の囁き
おお、RQにこういうパラメータ的技能を導入するってのは考えたことなかった。面白い。

まりおんさんにブクマコメを貰ったので
ルールで世界を記述する-1 - 蒼き月の囁き
の続きっぽいものを書いてみる。

技能と魔術の境界

なゆたグローランサでは、ルーンクエストのルールにはない技能が多数出回ってます。
きっかけはサンカウンティでソリントールが持っている
<イェルムへの祈りをつぶやく 2500>
でしょうね。
これは衝撃的でした。
技能の内容も、その成功率もありえないw
ただ、サプリメントを読んだ瞬間は爆笑してたけど、あとから考えて見ると「グローランサルーンクエストのルールでどう記述するか」という命題に、ただ一文で回答を示したものなんですよね。


ルーンクエスト」としてわかりやすくするために戦闘の技能にしてみると、
<武器攻撃 2000>=「攻撃は常にクリティカルする。」
<盾受け 2000>=「どんな打撃を受けてもダメージを被ることはない。」
<回避 2000>=「どんな攻撃も当たることはない。」
ということになります。


括弧でくくった文は果たして行為の結果でしょうか?
技能の成功率を見なければ、単に魔術の効果として書かれていい文章ですよね。
これが「魔術と技能にはスケール以外に差がないんじゃないかな?」と理解する糸口でした。

個人と地形、事象、集団の境界

ルーンクエストには「SIZ重量換算表」と「抵抗ロール表」というスケールについての素晴らしい指針があります。
重量1t(SIZ42)だの10t(SIZ69)だの100t(SIZ98)だの、馬鹿馬鹿しいほど巨大な相手を前にすると、「これ、壁とか山と違わないだろw」という悟りが開けます。


ルーンクエストには<視力>に対して<隠れる>のように、対立する技能によるペナルティーがあります。<隠れる>によるペナルティーと暗闇によるペナルティーがもたらす結果に何も違いはありません。


ティーブ・モーラー氏の「ヒーロークエストシステムルール」による無限の成功段階の示唆もありました。

英雄界においては、1レベルの成功(命中)は日常茶飯事であり、特に珍しいわけではない。危険は非常に大きく敵は非常に強力なので単なる成功では通常役に立たない。真に成功するには「スペシャル」で成功する必要がある。英雄界は困難な世界なので、あらゆる事において「成功」は事実上の失敗となる。英雄界の脅威に対し「失敗」したら、それこそファンブルと同等のとてつもない大打撃となる。


このあたりを俯瞰すると、ルーンクエストのルールブックに書かれた枠、つまり「技能が個人に属する」という縛りが外せることに気がつきます。
人間という枠を離れて、テーブルトークという場で語られる世界をルーンクエストのルールで見渡せば、

暗闇は<見えにくい>という技能を持っており、
山は<巨大>という技能を持っており、
剣は<切れる>という技能を持っている。

存在は、それを規定する言葉すべてを技能として、時と場所に従って持つことが出来る。
ルールブックに載っているのは、無限のルールの中から「人間サイズの生物を、戦闘を主体として表現する」ために抽出されたもの。
それ以外の表現が必要であれば、基本法則」を逸脱しない範囲で、拡張技能と他のリソースと相関する相応のルールを作ればいい。


という感じでしょうか。

グローランサと技能

個人も魔術も地形も事象も、すべて技能に集約されたとき、非常にグローランサのマスタリングがしやすくなりました。


ようするに

暗闇は<見えにくい>というルーンを持っており、
山は<巨大>というルーンを持っており、
剣は<切れる>というルーンを持っている。

ということなんですけど。


そんなマスタリングをしたりしていなかったり。