ぱるるんの魔道講座-常備呪文基礎2

ぱるるんの魔道講座-常備呪文基礎1 - 蒼き月の囁き
の続きです。


ぱるるん(以下-ぱ)
「準備はいいかな、リネル。
  では前回の復習だ。常備呪文のまとめ4条件を言えるかね?。」


リネル(以下-リ)
「はーいっ、師匠!
  1. 時間操作10ポイントで持続時間は1週間
  2. 常備呪文はフリーINTすべてを使って操作する
  3. 常備呪文の最大強度は「1+フリーINT-10」
  4. 常備呪文の持続時間は最大強度から1強度減らすごとに倍になる。
でーす!」


ぱ「よかろう。
  では維持してみたい魔術を一つ選んで、4条件を満たすようにかけてミタマエ。」


リ「えーと、やっぱりここは《STR向上》かな!荷物いっぱい持てるし!
  マスターの呪付物を使って、勉強したことのない呪文だから技能は0パーセントでー(><
  でも魔術分野修正値以下で投射できるんだよね?
  だから投射成功率は14%……。」*1


ぱ「常備呪文だから必ず〈時間〉技能、それからまあ〈強度〉も普通は使うな。」


リ「あははー、〈強度〉は25%、〈時間〉は5%しかないよ?」


ぱ「うむ。駆け出しはそんなもんだ。
  魔術分野修正値は常に足せるから、結局一番低い呪文の投射成功率と同じになるな。


  しかし魔道師には〈浄化〉という強い味方がある!
  通常10%程度の〈浄化〉技能は持っているはずだから魔術分野修正値とあわせて20%以上は底上げできる。
  そして魔道呪文とっての〈浄化〉と精霊呪文や神聖呪文にとっての〈浄化〉はまるで意味が違う。
  なぜかわかるか?」


リ「え……えっと、どれも呪文の成功率を高めるだけじゃないのかなー。
  んー、神聖呪文はそもそも投射成功率が高いんだから意味ないよね。
  あ、魔道呪文は成功率が低いから、効果が高いってことでしょー!」


ぱ「まったく外れではないが、違う。もう少し頭を使え。
  他の魔術の浄化は戦闘ラウンドという緊急事態の中で貴重なラウンドを消費する。」


リ「あ、ああー!〈時間〉技能を持ってる魔道師はその制約を無視できるんだ!」


ぱ「そうだ。それが駆け出しでも無理して常備呪文を使うように勧める理由のひとつだ。
  マスターのハンドリングにもよるが、
  -成功率の低い呪文を
  -時間に余裕のあるときに
  -成功するまでかけ続ける
  というのは100%の経験チェックを意味する。
  もちろん追い詰められた状態でなければ経験チェックがつかないというハンドリングもありえるが、
  危急の事態が起こったときに魔力ポイントを一定消費しているというのは大きなリスクだ。
  私は経験チェックが認められてもよいと思う。
  我らの世界のハウスルールでは上昇率を抑えてあるものの、常備呪文で技能値が上昇するチャートが用意されているぞ。」


リ「そっかー、常備呪文を維持するぞ〜と宣言するってことは、常に魔力が低くなってるよ〜って宣言することなんだ。」



ぱ「では続きだ。《STR向上》をどうかけるのかね?」


リ「1週間持続させるのに〈時間〉で10ポイント分の操作が必要で…。(指折り数えつつ)
  私のフリーINTは14だから、残りの4ポイント分を〈強度〉に回せば、5ポイントアップ!
  STRが6から11になって
  カイトシールド持ってもふらふらしないよ!魔法ってすごい!」


ぱ「かけてみろ」


リ「はーいっ。〈浄化〉しまーす。」


(21ラウンド=約4分、必死に集中しながら法印を切り続けるリネル。
 浄化の結果は7D6で26。ほぼ期待値。投射成功率が14%から40%に上昇。)


リ「やぁっ!……あ、あれ?失敗!?
  ……はあ、はあ…………はあ…………はあ……ちょ、ちょっと待って。
  も、もぅ一回。」


(21FPの回復のため呼吸を整えるのに21ラウンド。)


リ「い、いっきまーす!」


(21ラウンド=約4分、必死に集中しながら法印を切り続けるリネル)


以下、4回繰り返すw


リ「で……できたぁ!(ふらふら)


ぱ「1時間近くかかったぞ。
  魔力は何点消費した?」


リ「5回失敗したから5点無駄にして、6回目で15点。うう、20点使っちゃったぁ。
  魔漿石がカラッポで〜す。コンコン(呪付物を拳固で叩く)」


ぱ「というように、30%〜40%の成功率なんていうのはあてにならん。
  まあ最終的には確率どおりに収斂するがな。
  魔術を常備する上ではこの失敗による魔力損失コスト、それから1日の中での消費時間も馬鹿にならないということがわかったか?


  時間を短縮する上では浄化を短めにして回数をかける手もある。
  しかしFPは短期間で回復できるリソースだから、〈浄化〉はFPがマイナスにならない範囲で行ったほうがベター。
  実用的な範囲では15ラウンド6D6で期待値21か、21ラウンド7D6で24.5だな。
  ただしFPの回復にも同じ時間がかかるから注意が必要だ。


  呪文の技能が低いと結局失敗の回数が増える。
  技能が伸びれば魔力ポイントの損失と時間の損失が少なくなっていく。
  特に注意すべきは成功率が30%以下、それから50%以下だ。
  ファンブルすると呪文に必要な全魔力ポイントを消費してしまう。
  こうなると2回目をかけるのは難しい。
  50%以下ではファンブル率は3%、30%以下では4%もある。


  たかが3%と4%の違いと思うなよ?
  イイカ、呪文成功率が31%だとすると、平均的には1日3.3回投射ロールを行わなければならない。
  1週間で23回。このとき1回以上ファンブルの出る確率は0.97の23乗、なんと50%。2週間に1回はファンブルが出ることになる。
  呪文成功率が51%のとき1週間のロール数は14回。0.98の14乗。つまり25%。
  呪文成功率が71%あれば1週間のロール数は10回。0.99の10乗。10%以下まで低下する。
  なんとしても成功率で51%に乗っけたいところだ。


  では本日のまとめだ。」

  1. 呪文の常備には予備の魔力ポイントを見込む必要がある。呪文の投射成功率が低ければ、魔力ポイントを浪費する。
  2. 呪文の常備には〈浄化〉と疲労回復の時間を見込む必要がある。呪文の投射成功率が低ければ、時間を浪費する。
  3. 〈浄化〉は疲労と浄化技能の許す範囲で15ラウンド6D6か21ラウンド7D6。
  4. 〈浄化〉後の成功率で31%と51%が境界線。

ぱ「少し難しくなってきたが大丈夫か?
  まあ最後には全体を管理するためのもっと楽な方法を解説するから、もう1回辛抱だ。 」


リ「うう〜、マスターのためだからねっ!
  が、がんばってみる!」

*1:ハウスルールでは05%以下の技能はキャラクターシートに書くだけ無駄なので、初期値を05%としています。